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編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

オコエ瑠偉2年目の躍進を支えたのは元カープのあの男

 

故障者続出の外野陣に割って入り、ここまで奮闘を見せているオコエ瑠偉



 8月4日に今季一軍初出場を果たしたオコエ瑠偉が、ここまで奮闘を見せている。ペゲーロ不在時は「九番・右翼」に定着し、自己最多となる6試合連続安打をマーク。8月15日の西武戦(メットライフ)では4回無死満塁の場面で、三塁線を破る走者一掃の同点二塁打を放った。試合は17失点の大敗だったため殊勲の度合いは薄れたが、バットで結果を残す場面が目立っている。

 そんな中で、陰の立役者として注目すべき人物がいる。栗原健太二軍打撃コーチだ。広島時代は主砲として一時代を築いた右の和製大砲。オコエのルーキーイヤー、栗原のラストイヤーとなった昨年が現役での唯一の接点で、栗原は現役を引退して今季から指導者人生をスタートさせている。

 秋季キャンプの時点で、すでにオコエの打撃に着目していた。「振る力はある。タイミングや上体が突っ込むこととか、段階を踏んでいかないといけないけど、振って数をこなすこと。形は、振る力をつけてから」。現状と課題を即座に見抜いていた。

 そのオコエだが、春季キャンプ開始早々に右手薬指じん帯損傷という故障に見舞われる。ただ、同じ高卒選手だった栗原コーチも、猛練習で有名なカープ二軍でもまれて成長し、故障とも闘ってきた苦労人。自分の姿と重ねる部分もあったのだろう。苦しいリハビリ期間には「今の一軍には右打者が少ない。あきらめずに頑張れ」と叱咤激励。二人三脚で打撃を磨いてきた。

 栗原イズムは、オコエの中に確かに息づいている。「打球に強さと速さが加わった。(これは二軍で)打ちまくってつかんだもの」20歳の若武者も確かな手応えを感じている。ペゲーロが復帰した今、出場機会は限られてくるだろう。本当の勝負はこれから。スピードを生かした走塁と守備も持ち味であり、ほかの選手にはない「個性」で定位置争いに挑む。

文=富田 庸 写真=BBM
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