風格を増す広島・薮田。これが11勝目だ
毎週水曜日発売(一部地域を除く)の『週刊ベースボール』。毎回月曜日から日曜日までの試合で「週間ベストナイン」を選定しているが、ONLINE版では土曜日から金曜日まで。今回は8月12日から8月18日までだ。
最初は広島の独走となっているセだ。
8月18日現在の順位順期間内勝敗は
1位/広島5勝1敗
2位/
阪神3勝3敗
3位/
DeNA2勝4敗
4位/
巨人3勝2敗
5位/
中日2勝3敗
6位/
ヤクルト1勝4敗
投手のベストナインは広島の
薮田和樹(25歳)だ。8月12日、マツダ広島。相手は、この時点で広島が13勝5敗と完全にカモにする巨人ながら、マウンドに立ったのは、現在の球界で最も安定感がある投手、
菅野智之だ。もちろん、薮田にも、ここまで10勝を積み上げ、首位を走るチームを引っ張ってきた意地と矜持がある。
試合が最初に動いたのは、2回裏、広島の攻撃だ。先頭の
西川龍馬がソロ本塁打で1点。巨人も続く3回に二死からヒットを2本続けたが、薮田は
坂本勇人を二ゴロに打ち取り、無失点に切り抜ける。結果的には、この攻防が勝負を分けた。
以後、薮田は150キロ超のストレートを軸にツーシームも冴え、四球2、死球1、単打2本を許すも失点なし。併殺打3も光った。対して広島打線も菅野、
山口鉄也のリレーに追加点を奪えず、接戦のゲームは広島が1対0で逃げ切り、薮田がプロ初の完封勝利をマークした。
9回表、マウンドに向かう際、地元ファンの大声援を浴びた薮田はこう思ったという。
「黒田さんみたいだな」
昨年限りで引退した大エース、
黒田博樹。薮田にも、そのDNAがしっかりと受け継がれている。
[投手]薮田和樹(広島)
期間内/1試合 1勝 0敗 防御率0.00
[捕手]
嶺井博希(DeNA)
期間内/11打数 6安打 0本塁打 2打点 0盗塁 打率.545
※戸柱との併用だが、バットは絶好調。代打でも好機に存在感
[一塁手]
福田永将(中日)
期間内/19打数 6安打 3本塁打 7打点 0盗塁 打率.316
※
ビシエド離脱の後、一塁へ。2000安打の阿部もいるが3本塁打を評価
[二塁手]
菊池涼介(広島)
期間内/25打数 7安打 1本塁打 1打点 1盗塁 打率.280
※打率では阪神・西岡の.368が勝るが、安打同数に加え、18日の決勝弾で
[遊撃手]
田中広輔(広島)
期間内/25打数 8安打 0本塁打 0打点 3盗塁 打率.320
※積極打法で変わらずチームをけん引。3盗塁、6得点と足も光った
[三塁手]
鳥谷敬(阪神)
期間内/20打数 9安打 0本塁打 1打点 0盗塁 打率.450
※2000安打に向かうベテランは8月打撃絶好調で打率も急上昇
[右翼手]
福留孝介(阪神)
期間内/17打数 5安打 2本塁打 8打点 0盗塁 打率.294
※打率は今一つだが、勝負どころでは神がかるベテラン。8打点は見事
[中堅手]
丸佳浩(広島)
期間内/20打数 7安打 1本塁打 5打点 1盗塁 打率.350
※ヒット数ならDeNA・桑原、中日・大島が上だが、勝負強さで選定
[左翼手]
筒香嘉智(DeNA)
期間内/21打数 9安打 3本塁打 8打点 0盗塁 打率.429
※13日には2打席連続本塁打の4打点。再び調子を上げてきた
写真=前島進