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ドラフト会議物語

【ドラフト会議物語17】岡田彰布が6球団競合で阪神。2年連続1位の木田勇は日本ハムへ【79年】

 

今年は10月26日に行われるドラフト会議。毎年、金の卵たちが、どの球団へ進むか大きな注目を集める“一大イベント”で、さまざまなドラマも生まれる。今年で53年目を迎えるドラフト会議の歴史を週刊ベースボールONLINEでは振り返っていく。

3位指名に渋い選手が並ぶ


相思相愛の阪神から1位指名の後、仲間たちに胴上げされる岡田


1979年11月27日
第15回ドラフト会議(ホテル・グランドパレス)

[1位選手(×は入団せず)]
西武   鴻野淳基 (名古屋電気高)
ヤクルト 片岡大蔵 (国士舘大)
南海   名取和彦 (日産自動車)
巨人   林泰宏  (市尼崎高)
ロッテ  竹本由紀夫(新日鉄室蘭)×
阪神   岡田彰布 (早大)
日本ハム 木田勇  (日本鋼管)
中日   牛島和彦 (浪商高)
阪急   木下智裕 (東海大)
大洋   杉永政信 (鯖江高)
近鉄   藤原保行 (名城大)
広島   片岡光宏 (府中東高)

 新制度2年目で6球団競合の選手が登場した。早大で通算打率.369をマークした岡田彰布内野手だ。大阪出身で、小さいころから阪神ファン。西武、ヤクルト、南海、阪神、阪急、近鉄の争いになったが、相思相愛の阪神が無事、交渉権を得た。入ってからはブレイザー監督に新人をすぐスタメンで使う気がなく、ポジションをたらいまわしされたが、これに耐え、打率.290、19本塁打で新人王となった。

 在京セ希望を明言し、前年、広島1位指名を拒否した左腕・木田勇は巨人、日本ハム、大洋が競合し、日本ハムへ。最初は渋い顔をしたが、25歳の年齢もあって入団を決めた。1年目から22勝を挙げてパ・リーグの投手タイトルを総なめにし、MVPと新人王をダブル受賞しているが、太く短い選手だった。

 甲子園を沸かせた浪商高バッテリーの投手・牛島和彦は中日の1位、捕手でドカベンのニックネームがあった香川伸行は、南海の2位。牛島は球史を代表する抑えの1人となるが、香川は光るものを見せながらも、太り過ぎもあって大成しなかった。

 ほか3位指名に渋い選手が並んでいるのも特徴で、ロッテ3位に首位打者にもなった高沢秀昭(王子製紙苫小牧)、ヤクルト3位が熊野輝光(中大)だが入団拒否。(のち阪急に入団し、強打の外野手として新人王を獲得)、南海3位が通算100勝、山内トリオの19番・山内孝徳(電電九州)、巨人3位が強打の三塁手・岡崎郁(大分商高)、阪神の3位が外野守備の名手・北村照文(三菱名古屋)らがいる。

 またロッテから1位指名を受けた竹本由紀夫は結局、拒否しているが、1位指名選手の拒否は、この時点でロッテ、西武(西鉄ほか)、南海が3人ずつのワーストタイ。パ球団の不人気ぶりが分かる。

<次回に続く>

写真=BBM
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