週刊ベースボールONLINE

CARP CLOSE UP

【広島 打のMVP】進化した打撃でチームをけん引した“リーダー”丸佳浩

 

2年連続でセ・リーグを制覇した広島。シーズン当初から安定した力を発揮したが、野手のMVPと言えるのが丸佳浩であろう。不動の三番打者としてチームをけん引。広島が頂点に立った大きな原動力となった。

三番として100点満点の働き


すべての面で自己最高の成績を残している丸


「三番として100点満点の働きをしてくれている」

 緒方孝市監督の言葉がすべてを物語る。チーム不動の三番打者、丸佳浩。時にチャンスメーカーとなり、時にポイントゲッターとなる。状況に応じたバッティングを貫き、カープ打線のテーマである「つなぐ野球」の体現者となった。

 相手投手から見れば非常に厄介な存在だ。ボール球は振らない。甘い球はミスショットしない。長打があり、塁に出れば足がある。今季は持ち前の巧打や選球眼にさらに磨きがかかった。9月17日現在、打率.308、22本塁打、90打点。昨年の成績をすべて上回ることは濃厚だ。さらに四球も79個と昨年を超えるペースで出塁率は.399を数え、得点数もリーグ1位の103だ。

 今年はスイングが力強くなった。長打率は5割を超え、逆方向への本塁打も増えた。本人も「左方向にも強い打球が打てている」と手ごたえを得ているが、外角球にもしっかりと踏み込んで対応できるようになったことで、昨年まで打率を落としていた左投手を攻略。今年は対右投手(打率.309)よりも高い打率.310を残している。

 OBの廣瀬純氏によれば、今年はタイミングの取り方を変えたことも奏功したという。

「相手投手がセットポジションの場合、昨季よりも手の位置を上げてトップを早く作っている。それはキャンプ中から取り組んでいましたね。ヒッチさせる場所を状況によって変えている。無走者用とランナーがいるとき用のバッティングを使い分けているし、タイミングが合わないときは無走者でも早めに始動したり、柔軟に対応しています」

 結果に惑わされなくもなった。たとえヒットを打っても内容が悪い場合がある。その逆もしかりで内容がいい凡打もある。結果に一喜一憂せずに、ただ己を高めることだけに集中した。

 チームリーダーとしての役割も果たした。円陣や練習前のキャッチボールでも一際声を張り上げ、明るい雰囲気をつくる。広島のチームが一つになって戦う中心には背番号9がいる。

 リーグ連覇を果たした中で、丸の役割は果てしなく大きかった。

写真=太田裕史
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング