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【大学野球】東大戦の屈辱から一転、全力で勝利をもぎ取った法大

 

キャプテンからの熱いメッセージ


法大・菅野は早大1回戦で1失点完投勝利を収めた


 何せ89年ぶりの屈辱である。法大は前カードの東大戦で連敗。東大としては2002年秋以来、30季ぶり、対法大では1993年秋以来で、2連勝は1928年秋以来と歴史的な出来事となった。

 この時点で、法大は東大と同じ勝ち点1も、勝率で東大を下回り6位。法大は早大の45度に次ぐ44度リーグ優勝の名門である。1947年春以来の最下位を回避するためにも残り2カード、これ以上の黒星は許されない。

 10月14日の早大1回戦を前にしたミーティングで森龍馬主将(4年・日大三高)は声を大にして言った。

「下を向くヒマはない。リーグ戦は続く。一戦一戦、必死でやっていくのが使命」

 東京六大学は6校によるリーグ戦ではあるが、その一方で1925年秋の結成以降、不変のメンバーで覇権を争ってきた歴史があり“対抗戦意識”が強い。

 つまり、残る早大、立大とのカードに全力を注ぎ、勝ち点を目指していくのが、歴代の先輩から受け継がれてきた東京六大学の“スピリット”なのである。

 早大1回戦で先発した菅野秀哉(3年・小高工高)は相手の左腕・小島和哉(3年・浦和学院高)との同級生エース対決を1失点完投(2対1)で制した。

「応援してくれる方がいる。恩返ししないといけないので、それができたので良かった」

 3回の先制左前適時打に、追いつかれた後、8回に勝ち越しの口火となる左前打を放った四番・中山翔太(3年・履正社高)も「勝つことだけを意識した。練習はやってきているので、あとは気持ち次第。とにかく切り替えてやっていくしかない」と前を向いた。

 キャプテンからの熱いメッセージが後輩に通じた一戦。母校の名誉をかけた戦いは続く。

文=岡本朋祐 写真=松岡昌平
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