来シーズンの続投が決定した栗山監督。5位に沈んだチームをどう立て直していくのか、その手腕の真価が問われる1年になりそうだ
いよいよ、今週末からは日本シリーズが開幕するが、その一方でシーズンで敗れ去ったチームはすでに2018年シーズンへ向けて動き始めている。
日本ハムもそのうちの1チームだ。昨年の日本一から一転、5位に沈んだ悔しさばかりが残った1年。さらに今オフは
大谷翔平のポスティングでのMLB移籍、
中田翔、
大野奨太、
増井浩俊、
宮西尚生のFA移籍も取り沙汰されており、チームはいま大きな転換期を迎えていると言える。
先日取材した秋季練習でも、さまざまなチームの移り変わり、人間模様を垣間見ることができた。来シーズンから二軍コーチを務めることが内定している
飯山裕志が若手選手にノックを行い、グラブさばき、足の運びなどを身ぶり手ぶりで熱血指導。まだ正式にコーチングスタッフは発表されていないが、いぶし銀の新米コーチが新たな風を吹き込んでくれそうな期待感を感じた。
またその一方で、黄金時代を支えてきたあの選手も再出発へ歩みを進めていた。
武田久。今シーズン限りでファイターズを退団し、現在は他球団からのオファー待ち。近年はケガもあって満足な成績を残せていないが、まだまだ現役への思いは強く、若手に交じってブルペンで精力的に投げ込む日々を送っている。今後も「ドラフトが終われば、いろいろ動いていくと思います」と、11月15日に開催される12球団トライアウトは受けずに、吉報を待つ。
ほかにも外野のレギュラーに定着した
松本剛が二塁守備の練習を精力的に行い、
横尾俊建は一塁、二塁、三塁、外野の守備練習。
鍵谷陽平もカットボール、ツーシームなどの新球習得を目指し、先発ローテ入りを目指す
石川直也、
吉田侑樹らの若手も切磋琢磨しながらレベルアップに励んでいる。指導者として新たな野球人生を歩み始めた者、新天地での戦いを選んだ者、虎視眈々とレギュラーポジション獲得に意欲を燃やす者……。少しずつではあるが、2018年型ファイターズの青写真も見え始めてきている。
近年まれに見る嵐のストーブリーグになりそうな予感も漂う今オフだが、これまでも破壊と創造を繰り返し、躍進を遂げてきた日本ハムの歴史。就任7年目を迎える策士・
栗山英樹監督がどうこのチームを立て直し、どんな選手をどのポジションで起用していくのか──。
これまでとはまた違った観点、いろんな意味で興味深いシーズンになりそうな期待感はある。
文=松井進作 写真=BBM