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ヤクルト投手コーチに田畑一也氏 18年ぶり古巣復帰で投手陣再建へ

 

現役時代は古田(写真右)ともバッテリーを組んだ田畑氏


 10月24日、ヤクルトが新コーチとの契約と配置転換を発表した。新たに加わったのは宮本慎也一軍ヘッドコーチと田畑一也一軍投手コーチの2人。三木肇一軍ヘッドコーチは二軍チーフコーチに、杉村繁一軍チーフ打撃コーチは巡回コーチとなる。また、野村克則バッテリーコーチ、福地寿樹外野守備走塁コーチが一軍から二軍担当となり、逆に野口寿浩バッテリーコーチは一軍担当となった。森岡良介一軍野手コーチ補佐は二軍内野守備走塁コーチに回る。

 宮本ヘッドコーチとともに新たに就任した田畑コーチは、18年ぶりの古巣復帰となった。1992年ドラフト10位でダイエーに入団し、ヤクルト、近鉄、巨人と4球団を渡り歩き、2002年限りで現役引退。通算成績は166試合に登板して37勝36敗1セーブだが、ヤクルト移籍初年となった96年の12勝(12敗)、2年ぶりのリーグ優勝、日本一を果たした翌97年の15勝(5敗)が際立つ。同年、捕手の古田敦也とともに最優秀バッテリー賞に輝くなど、『野村再生工場』の一人としてチームに大きく貢献した。

 この黄金時代を知るだけに、今季の惨状には頭を悩ませている。2002年に引退した後も巨人に残り、スコアラー、一軍、二軍の投手コーチ、今季途中から再びスコアラーに。17年間の中でさまざまな立場で野球と向き合ってきた。「鳴かず飛ばずでダイエーからヤクルトに来て、いい成績を残させてもらった。恩返しというか、巨人でいろいろなことを吸収できたので、その経験を少しでも伝えたい」と同氏は意気込みを語る。

 今季のヤクルト、防御率は先発4.16、リリーフ4.31で、チームとしては4.21とリーグワースト。それでも田畑氏は「四球数は巨人(363)に次いで2番目に少ない。その辺をどう生かすか」と、すでに投手成績の精査と打開策に着手している。プロ入り前には社会人の北陸銀行を辞めた後、実家の田畑建工で家業を手伝いながら、ダイエーの入団テストに合格したという変わり種。崩壊状態の投手陣だけに、元大工の「建て直し」に期待しよう。

文=富田 庸 写真=BBM
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