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日本選手権大会レポート

日本選手権2日日! JABA公式サポ・田中優美の熱視線!「渡辺俊介『WBCよりも緊張する試合』」

 

11月2日から京セラドームで開幕した第43回社会人野球日本選手権大会。週刊ベースボールONLINEでは、日本選手権大会にまつわるさまざまな情報や知られざる秘話を『JABA×グラゼニ社会人野球公式サポーター』が日替わりで発信していきます。本日は田中優美さんです。

プレッシャーとの距離


プロではロッテで通算87勝をマークしている渡辺俊介


「社会人野球はWBCよりも、日本シリーズよりも緊張する試合」

 そう語るのは新日鐵住金かずさマジックで投手兼コーチをしている渡辺俊介氏です。

 渡辺氏は1999年に國學院大学を卒業後、社会人野球の新日鐵君津(現・新日鐵住金かずさマジック)に入社。2000年秋のドラフト会議で千葉ロッテマーリンズから4位指名を受け、プロの世界へ。05年には15勝を飾り、06年と09年にはWBC日本代表に選ばれています。13年にロッテを退団し、アメリカの独立リーグなど海外でも野球選手として活躍されました。そして、15年12月に新日鐵住金かずさマジックへ投手兼任コーチとして戻って来ました。

 このように、さまざまな舞台で活躍された渡辺氏が社会人野球で感じたのは、“プレッシャーとの距離”だと言います。

「WBCよりも、日本シリーズよりも、アメリカでの野球よりも、社会人野球の試合が緊張しました。身近な人たちの応援を、すごく近いところに感じながら試合をするのでプレッシャーが近いんですよ。(背中のすぐ後ろを指しながら)この辺から感じる。WBCとかは本当にフワッとした感じ。社会人野球は応援してくれているという思いがすごい近くに感じる分、それが良い意味でも悪い意味でも試合の流れを変えます」と教えてくださいました。プロ入り前、社会人野球で近い場所からのプレッシャーを肌で感じながら結果を出してきたことで、強靭なメンタルを手に入れ、大舞台で成功されてきた渡辺氏ならではの見解です。

 日本に帰国後、今後のキャリアについて考えたときに、いろんな選択肢がある中で真っ先に頭に浮かんだのが社会人野球だというほど思い入れが強い渡辺氏。社会人野球の楽しみ方をうかがうと「大人が全力で戦うトーナメントって世界中で社会人野球だけなので、たぶん日本人の一番好きな戦い方をする大会だと思います。その1試合に懸ける思いが全力で出る試合を皆さんに楽しんでほしいです」と話してくださいました。

 日本選手権で新日鐵かずさマジックは11月3日の初戦をJR九州と戦い、3対2で逆転勝利。「自分が成長してきた経験、そして社会人野球がそれだけやりがいとか魅力のある場所であることをチームの若い選手に伝えてきた。それで今日みたいないいピッチングにつながってくれるのはすごくうれしいです」とコーチとしての喜びを表現され、新たなやりがいも見つけた渡辺氏。

 取材中にスパイクを履いているのが気になり、今でも投手としての練習もしているのか聞くと「投手ですからね。もちろんしていますよ」と、しっかりマウンドに立つ準備も行っている模様。コーチとしても、投手としてもチームに貢献する姿は実に頼もしいです。もしかしたら今回の日本選手権でも、世界一低いと言われるアンダースローを見られるかもしれませんね。次戦は11月9日に、JR東日本と三菱重工広島の対戦の勝者とぶつかります。目の離せない好カードが続きますね!

PROFILE

左から成田沙耶加さん、豊島わかなさん、田中優美さん/写真=矢野寿明


なりた・さやか●1990年7月30日生まれ。山梨県出身。ニックネームは「さやくま」。野球観戦歴は家族の影響で幼少時から。趣味は料理とスポーツ観戦、特技は健康食作り。

とよしま・わかな●1986年12月14日生まれ。愛知県出身。ニックネームは「豊ちゃん」。野球観戦歴は小学生のころから。趣味は暗記、特技は歴史に詳しいこと。

たなか・ゆみ●1992年5月21日生まれ。神奈川県出身。ニックネームは「ゆーみん」。野球観戦歴は高校1年生のころから。趣味は動物とたわむれる、特技は脚が柔らかいこと。
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