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プロ野球デキゴトロジー/11月26日

2リーグ分裂! セ、パ誕生の日【1949年11月26日】

 

正力松太郎氏


 プロ野球の歴史の中から、日付にこだわって「その日に何があったのか」紹介していく。今回は11月26日だ。

 日本プロ野球の父と言われる元巨人オーナー、正力松太郎に、本誌の大先輩記者が「2リーグ分裂時の話を聞きたいのですが」と尋ねたとき、烈火のごとく怒り、「分裂ではない。分立と言いたまえ」と怒鳴られたという。

 1949年11月26日、日本プロ野球にセ・リーグ、パ・リーグが誕生(正確にはパだけ)。それは到底、“分立”などときれいに言えるものではなかった……。

 戦後、1リーグ制で再開した日本プロ野球は年々人気が上がり、参入希望企業も増えていた。その中で正力は名誉総裁就任の1949年4月15日に、将来的にメジャー・リーグ同様に2リーグ制を導入したいと目標を語った(コミッショナー就任についても進んでいたが、GHQから認めらなかったという)。

 そのため、まずは当時の8球団から10球団に増やし、機を見て、6球団ずつ2リーグに、という考えで、まずは毎日新聞に声をかけた。

 ただ、この拡張の動きに巨人が「苦労していまの繁栄がある。それをいまからほかの企業、それも新聞社の毎日と組むなどあり得ない」と猛反対。正力にとって身内であるはずの読売新聞が親会社だが、正力が戦犯として公職追放となり、読売と距離を置くうちに、読売内に反正力の動きがあったことが混乱を大きくした。

 以後の流れを詳細に追っていくスペースはないが、要は1リーグ派が新規球団の参入を拒み、最後は正力がブチ切れて「だったらすぐ新リーグを立ち上げる!」となったのだ。

 11月26日には、東京会館別館で日本野球連盟の解体と各球団の自由意思における新構想が議決。同日午後1時に「太平洋野球連盟(パシフィック・リーグ)」が毎日新聞社別館で結成式を行った。南海、阪急、大映、東急の4球団と新球団の毎日、近鉄、西鉄がメンバーだった。

 一方、巨人、中日、大陽、阪神も新球団の西日本、大洋、広島を加え、「セントラル野球連盟」をスタートさせる予定だったが、大陽が映画会社の松竹に買収されることが決まっており、その手続きを終えた12月15日に結成式。50年1月11日には国鉄が加わり、8球団でスタートすることになった。

写真=BBM
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