週刊ベースボールONLINE

編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

魅力たっぷりの豪腕、ヤクルト3位・蔵本治孝

 

神宮のマウンドは今年6月の全日本大学選手権で経験済みだ



 185センチ、95キロ。堂々たる体格を誇る“豪腕”がスワローズにやって来る。仮契約は11月20日に結んだ。契約金5000万円、年俸800万円(金額は推定)。「こんなに0が並ぶのを見たことなくて」と、初々しい感想を漏らしていた。

 蔵本を担当したのは燕の元エース、岡林洋一スカウトだった。「今まで、うちにはいなかったタイプ。起用法はこれからだが、抑えも似合う雰囲気がある」と期待する。背番号も「22」に決定。これは蔵本が大学時代に着けていた番号なのだが、ヤクルトでは4度の最優秀救援投手に輝いた高津臣吾二軍監督が現役時代に着けていた番号だ。蔵本は「もったいないくらい」と恐縮しながらも、「ファンの皆さんに、『22』といえば蔵本と思ってもらえる活躍をしたい」と力強く宣言した。

 異色の経歴を持つ投手だ。神戸国際大高時代は3年間ベンチ外で、登録も外野手だった。岡山商大入学後に投手として入学するも、大学2年11月に右ヒジのトミー・ジョン手術をするなど、回り道の多い野球人生だった。それでも4年春に復帰を果たすと、楽天に1位指名されたエース・近藤弘樹との両輪として活躍。今秋のリーグ戦では最速151キロをマークするなど、一気に開花してヤクルトの3位指名を勝ち取った。

入団するチームについては、「最近低迷しているけど、自分が戦力になって頑張りたい」と頼もしい。さらに「今後は僕のグッズ商品もよく売れるようになれば」とユーモアたっぷりに語り、“営業面”でも意欲満々。グラウンドでの真剣な表情と普段見せる笑顔のギャップが魅力。大型ルーキーの1年目からの活躍が楽しみだ。

文=富田 庸 写真=大賀章好
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング