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週刊ベースボール60周年記念企画

【週ベ60周年記念企画50】『特集 三原戦術における精神分析』【1959年3月25日号】

 

2018年に創刊60周年を迎える『週刊ベースボール』。おかげ様で、すでに通算3400号を超えている。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。

巻頭グラビアは『背番号10よ、永遠に〜藤村選手引退試合より』


表紙は巨人長嶋茂雄


 今回は『1959年3月25日号』。創刊50号で定価30円だ。センターカラーは『若き力』の見出しで中日井上登新主将、新人・板東英二、2年目・森徹。気になったのは撮影場所だ。背後に海が見え、砂浜で腹ばいになってのカット。3人の目は明らかに「早く撮ってくれ」と不機嫌そうだった。

 巻頭グラビアは『背番号10よ、永遠に〜藤村選手引退試合より』。3月2日、甲子園でのミスタータイガース、藤村富美男の引退試合だ。相手は巨人。最後の打席は一塁へのファウルフライだった。

 センターグラビアは『千葉さんがんばれ!〜千葉監督激励試合(巨人─近鉄戦)から』。森ノ宮(日生)での古巣・巨人とのオープン戦を近鉄・千葉茂新監督の激励試合として行ったようだ。本文中には、巨人二軍のベテラン捕手・山崎弘美宛ての千葉の手紙が紹介されていた。千葉という男がなぜ仲間たちに慕われたのかが分かるような気がした。抜粋しよう。
 
 いよいよキャンプが始まりましたね。いまごろ二軍の連中は、どうしているのかな。毎日練習はどうなのかな。すみっこのほうで小さくなってはいないかな。食事の具合はどうかなと、いろいろなことを案じています。こんど今治(※近鉄キャンプ地)に来ても、ときどきふっと、宮崎(※巨人キャンプ地)へまたいってみようかなと、思ったりすることもあります。

 小生、一生を多摩川のほとりで静かに送ろうと思って、ご承知のように昨年の秋、家も建てましたが、また、ことしから変なことから乱戦のさなかに入ってしまいました。

 後ろグラビアは田宮謙次郎の加入で優勝候補と目される大毎の練習風景だった。この別府でのキャンプでは禁麻雀、禁酒、禁パチンコと大きな宿舎に大きな貼り紙があったらしいが、果たしてうまくいったのか。

 本文巻頭は『特集 三原戦術における精神分析』。三原野球を見ながら西鉄・三原脩監督の性格を探っていこうというものだ。日本シリーズの戦いを見つつ、その柱を正しい理論と闘争心と分析している。

 時々紹介している広告コーナーだが、今回目にとまったのが『生レモン30個分になるヤンズレモンパウダー』。日本政府特許品でレモンスカッシュ50杯分らしい。洗顔・洗髪後のリンスとしても素晴らしい効果があるということだ。いまでもそうだが、「レモン○個分のビタミンC」というのがよく出てくるが、見るたび「レモンって大したことないんだな」と思ってしまう。失礼、蛇足でした。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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