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2017シーズン総括

【2017シーズン総括】ソフトバンク「リードし守り抜く堅実な戦いぶり、チーム一丸で日本一奪回」

 

ソフトバンクの日本一で幕を閉じた2017シーズン。熱戦が続いたが、球団ごとに「投手力」「攻撃力」「守備力」に分けて振り返っていく。

投手力 PITCHING REVIEW


数々の記録を打ち立てたサファテは多くの表彰も受け、球史に名を残した


パ・リーグ1位
◎143試合 94勝49敗0分 勝率.657
◎ホーム52勝20敗0分、ビジター42勝29敗0分
◎交流戦12勝6敗0分 勝率.667 1位

 鉄壁のリリーフ陣がチームの中心だった。8回に、球団新記録となる72試合に登板し最優秀中継ぎ(46HP)に輝いた岩嵜翔。9回にはシーズン54セーブのプロ野球新記録を樹立した最強守護神・サファテ。この2人から逆算して試合を組み立てられたことで、6回終了時点でリードしていれば76勝3敗という盤石な勝ちパターンを築くことができた。

 森唯斗嘉弥真新也五十嵐亮太らもフル回転。途中加入のモイネロは連投もいとわない献身的な働きで、後半戦の中継ぎ陣をけん引した。

 リリーフ陣がここまでの踏ん張りを見せたのには理由がある。和田毅武田翔太千賀滉大と柱を担うはずの先発陣の相次ぐ離脱があったからだ。リリーフ陣のカバーを受けつつ、この緊急事態に力を発揮したのは東浜巨バンデンハーク。特に東浜はチームの勝ち頭となり、最多勝(16)を獲得した。また、石川柊太松本裕樹の若手2投手も穴を埋める活躍ぶりだった。

攻撃力 HITTING REVIEW


フルシーズンを戦い抜いた上林は、初の2ケタ13本塁打を放つなど大きく飛躍


 長打力、得点力アップを期待し、デスパイネを補強。五番にハマり本塁打を量産したデスパイネは本塁打王(35)に輝く活躍を見せ、チームの本塁打も164とリーグトップ。

 そのデスパイネとともに三番・柳田悠岐、四番・内川聖一で形成するクリーンアップは脅威だった。内川がけいつい捻挫、左手親指骨折で長期離脱、柳田もシーズン終了を前に右ワキ腹痛で離脱したが、内川不在時は四番を柳田が務め、三番に松田宣浩中村晃を配置。柳田が離脱したあとは帰ってきた内川がチームを引っ張った。

 ポストシーズンでは復帰した柳田を一番で起用。先制点が重要視される短期決戦ならではの打順だったが、新しいオプションが増えたのは確かだ。

 また、二番には今宮健太が定着。犠打だけでなく安打でもチャンスメークし、自己最高の数字を残した。開幕一軍をつかんだ上林誠知もシーズンを完走。勝負強い打撃で成長を見せた。

守備力 FIELDING REVIEW


今季80試合で先発マスクをかぶり、正捕手獲りに期待がかかる甲斐


 今季の「先制して守り勝つ」チームスタイルが確立された背景には、リリーフ陣の安定感とともに守備力の高さもある。守備率では捕手・甲斐拓也が.999、三塁・松田が.967、遊撃・今宮が.988、外野手・上林が1.000でリーグトップ。上林は自慢の肩でリーグトップの10補殺もマークした。

 2015年から3年連続リーグ最少となった失策数も今季は38と、1991年の西武に並ぶプロ野球最少記録タイ。守備率は.993で同新記録となった。

 ここ数年の課題だった捕手陣の世代交代という部分では、甲斐が台頭。強肩と好リードが冴えゴールデン・グラブとベストナインにも輝き、いまや正捕手の筆頭候補だ。

【2017年の主な達成記録】
◎日米通算1500安打=川崎宗則、5月11日対オリックス(ヤフオクドーム)※NPB1350安打、MLB150安打

◎監督通算200勝=工藤公康監督、5月23日対ロッテ(ヤフオクドーム)、投手でも200勝以上、監督でも200勝以上はプロ野球6人目

◎通算100本塁打=柳田悠岐、6月23日対西武(ヤフオクドーム)、プロ野球283人目

◎通算200本塁打=松田宣浩、6月27日対日本ハム(ヤフオクドーム)、プロ野球101人目

◎通算250犠打=今宮健太、7月5日対オリックス(ヤフオクドーム)、プロ野球19人目※史上最年少(25歳11カ月)

◎NPB通算200セーブ=サファテ、7月5日対オリックス(ヤフオクドーム)、プロ野球6人目

◎ソフトバンク通算1000勝=8月15日対オリックス(ヤフオクドーム)、1817試合で752敗65分け

◎NPB通算1500奪三振=和田毅、8月27日対ロッテ(ヤフオクドーム)、プロ野球51人目
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