2018年に創刊60周年を迎える『週刊ベースボール』。おかげ様で、すでに通算3400号を超えている。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。 『12球団週間報告』の全球団分の見出しと内容
今回は『1959年5月20日号』。創刊58号で定価30円だ。カラーグラビアは『長嶋と森』。
巨人・
長嶋茂雄、
中日・
森徹の2年目の四番コンビが登場。巻頭グラビアは『よみがえった二人・堀内と王』。開幕以来3戦3勝の巨人・
堀内庄と開幕から27打席目にして初ヒットが生まれた巨人の新人・
王貞治。それがホームランだったのも王らしい。
巻頭特集は『特集 巨人軍の実力再評価』。開幕前に酷評されていた巨人が開幕から13勝2敗と突っ走っている中での特集だ。
選手コラム『ぼくの雑記帖』は南海の
杉浦忠。その前の連載、長嶋の『ぼくの日記帖』が突然終わったという話を以前に書いたが、この号では拡大版『花形選手 体当り野球人生論』の第1回に長嶋が登場。独白で4ページを構成している。
今回は『12球団週間報告』の全球団分の見出しと内容を少しだけ紹介しよう。これだけでも結構面白い。
「西鉄 ファイター豊田の予言〜しられざるすさまじき食欲」
ややタイトル倒れ?
豊田泰光がダブルヘッダーの合間に自家製の二重の重箱弁当を食べる
「南海 春木の競馬とは?〜当り屋連の合言葉」
東映に負け越した際の
鶴岡一人監督の言葉。「春木競馬で出足のいい馬が勝ったためしがない」
「阪急 笑いを呼んだ黒バット」
黒バットを使う
河野旭輝が珍しくホームランを打って、からかわれる(やや非力でアベレージヒッタータイプ)
「大毎 カッとなったスーちゃん〜男になれなかったファイター」
ノースリーから
別当薫監督の指示で待球。結果的に三振となり
須藤豊がカッカ
「東映 宣告を恐れた西田〜冷汗かいた西鉄キラー」
痛みで首が回らなくなった
西田亨。病院に行ったら「首の後ろの骨が飛び出ている」と診断された。手術を覚悟したが「薬で治る」と言われたらしい。ホントか?
「近鉄 底抜け外人コンビ〜よくしゃべり、よく笑う」
いたずら好きのミケンズ、ボトラの話
「巨人 ラッキー・ボーイ河野〜かつては2軍の最低打率保持者」
主力の移籍や故障でチャンスを得た
河野正の話
「
阪神 カイザーの信心〜勝負ごとと縁起」
よく参拝に出かけるカイザーこと
田中義雄監督(日系人)。クリスチャンがなぜ?
「中日 うどんが活力素〜闘志の男・江藤の秘密」
好調の
江藤慎一の秘密が東京遠征時の“うどん屋のハシゴ”だったという話
「国鉄 カムバックしたポーカー・フェイス〜国鉄投手陣に光明」
ようやく復調した
村田元一。ポーカーフェースで有名だった
「
広島 きびしい勝負の世界〜ついに小山に8連敗」
阪神・
小山正明に広島がついに8連敗
「大洋 興奮した幸田〜プロ初勝利の新鋭投手」
4年目にして初勝利、しかも完封で飾った
幸田優 では、またあした。そうだ、メリークリスマス!
<次回に続く>
写真=BBM