2018年に創刊60周年を迎える『週刊ベースボール』。おかげ様で、すでに通算3400号を超えている。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。 『選手の秘密』で話題になっていた広島の真っ赤なジャンパー制作秘話
今回は『1959年5月27日号』。創刊59号で定価30円だ。カラーグラビアは『鉄腕稲尾の余裕』。スタンドの学生服の子どもたちと談笑する西鉄の
稲尾和久だ。
後ろグラビアでは5月3日、
中日球場、駒沢球場でのファン乱入の写真。中日球場の中日─巨人戦はジャッジをめぐり紛糾し、試合は日没
コールドに。中日ファンがグラウンドに次々物を投げ込み、乱入する騒ぎとなった。
駒沢球場の東映─近鉄戦では、東映の
岩本義行監督が審判に抗議している際、サングラスの客が乱入。ふだんは乱闘の主役となることが多い東映の
山本八郎が後ろから羽交い絞めにし、押さえつけた。山本は連載『体当り野球人生論』にも登場。三塁転向の苦労話などを語っている。
本文巻頭は『特集 長嶋と森の闘魂〜球界のライバル決定版』。プロ2年目で四番を打つ人気者2人、巨人・
長嶋茂雄、中日・
森徹の比較論。独身だった森は夜、母親と電話で話すのが日課だった。豪快な母親で、森の不振時には、長嶋の活躍を報じた新聞を森の枕元に置いて鼓舞したり、森が風邪で欠場した際、訪問客がたまたま長嶋の活躍について話すと「徹だって体さえよければ打てます!」と言い放ったりした。女手一つで森を育て、戦中は料亭を経営し、力道山の面倒を見たという話もある。
『選手の秘密』では、このシーズン、話題になっていた
広島の真っ赤なジャンパー制作秘話があった。実は白石監督が春季キャンプで赤と青と白のサンプルを見せ、選手から「緋鯉(赤い鯉)だから赤がいい」という意見が多く出て選んだという。
広島ネタでは『12球団週間報告』に、おそらく球界における『ゴジラ』『ゴジ』の異名の元祖・
藤井弘の記事があった。好調を維持していたようだが、その要因がどうやら賞品にあるらしいという話。それがパンティ・デザイナー、鴨居羊子さんの「七色のパンティ」だった。この春、両親のために家を新築した家族思いの藤井は、どうせならパンティ7色すべてをそろえ、妹さんにプレゼントしようと思ってた、と美談っぽく書いていたが、それはどうなのか……。
『野球殿堂に飾られる人々』では第1回の野球殿堂入り9人が紹介されている。野球体育記念博物館も完成間近らしい。
では、またあした。
<次回に続く>
写真=BBM