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週刊ベースボール60周年記念企画

【週ベ60周年記念企画59】『特集 長嶋と森の闘魂』【1959年5月27日号】

 

2018年に創刊60周年を迎える『週刊ベースボール』。おかげ様で、すでに通算3400号を超えている。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。

『選手の秘密』で話題になっていた広島の真っ赤なジャンパー制作秘話


表紙は右が阪神村山実。左が巨人王貞治


 今回は『1959年5月27日号』。創刊59号で定価30円だ。カラーグラビアは『鉄腕稲尾の余裕』。スタンドの学生服の子どもたちと談笑する西鉄の稲尾和久だ。

 後ろグラビアでは5月3日、中日球場、駒沢球場でのファン乱入の写真。中日球場の中日─巨人戦はジャッジをめぐり紛糾し、試合は日没コールドに。中日ファンがグラウンドに次々物を投げ込み、乱入する騒ぎとなった。

 駒沢球場の東映─近鉄戦では、東映の岩本義行監督が審判に抗議している際、サングラスの客が乱入。ふだんは乱闘の主役となることが多い東映の山本八郎が後ろから羽交い絞めにし、押さえつけた。山本は連載『体当り野球人生論』にも登場。三塁転向の苦労話などを語っている。

 本文巻頭は『特集 長嶋と森の闘魂〜球界のライバル決定版』。プロ2年目で四番を打つ人気者2人、巨人・長嶋茂雄、中日・森徹の比較論。独身だった森は夜、母親と電話で話すのが日課だった。豪快な母親で、森の不振時には、長嶋の活躍を報じた新聞を森の枕元に置いて鼓舞したり、森が風邪で欠場した際、訪問客がたまたま長嶋の活躍について話すと「徹だって体さえよければ打てます!」と言い放ったりした。女手一つで森を育て、戦中は料亭を経営し、力道山の面倒を見たという話もある。

『選手の秘密』では、このシーズン、話題になっていた広島の真っ赤なジャンパー制作秘話があった。実は白石監督が春季キャンプで赤と青と白のサンプルを見せ、選手から「緋鯉(赤い鯉)だから赤がいい」という意見が多く出て選んだという。

 広島ネタでは『12球団週間報告』に、おそらく球界における『ゴジラ』『ゴジ』の異名の元祖・藤井弘の記事があった。好調を維持していたようだが、その要因がどうやら賞品にあるらしいという話。それがパンティ・デザイナー、鴨居羊子さんの「七色のパンティ」だった。この春、両親のために家を新築した家族思いの藤井は、どうせならパンティ7色すべてをそろえ、妹さんにプレゼントしようと思ってた、と美談っぽく書いていたが、それはどうなのか……。

『野球殿堂に飾られる人々』では第1回の野球殿堂入り9人が紹介されている。野球体育記念博物館も完成間近らしい。 

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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