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編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

東北の悲劇を風化させないためにプロ野球だからできること

 


 シーズンオフになると、プロ野球選手たちは自主トレの合間に野球教室を開催することが多くなる。その中には、東日本大震災復興支援と銘打って行われるもの、震災後から開催されたものなども多い。

 12月21日には西武の本田圭佑が宮城県利府町にある中学校で「夢先生」として授業を行った。これは被災地の子どもたちに笑顔を与えることを目的に、日本体育協会などが主催となって行われているプロジェクトのひとつだ。味わった悲しみを消すことはできなくても、楽しい思い出を増やすことはできる。それは未来を担う子どもたちにとって非常に重要なことだと感じている。

「努力すれば夢に近づくよ。続けることが大事だよ」。

 夢を叶えた選手たちの言葉だからこそ、その言葉は説得力を持ち子どもたちの中にすっと落とし込まれていく。だからこそ、震災から学んだことも伝えてほしい。そしてたくさんの笑顔を共有してほしい。情報があふれる今だからこそ、子どもたちの中に残り続けるには、笑顔の思い出とともにその情報があることが重要だ。

 震災から6年9カ月。震災を知らない子どもたちが小学生になった。風化させないためには、これからが本当に大事になってくる。あのときに感じた悲しみと多くの勇気、被害を最小限にするための知識は、今の子どもたちにも伝えていかなくてはならない。

 NPBも東日本大震災復興支援事業のひとつとして、福島県内在住の小学生または、震災により転移・転校を余儀なくされた小学生を対象にベースボールフェスタを開催している。今年も12月9日に選手たちが福島へと足を運んだ。名目や形が変わっても、今後も続けていくことが求められているのではないだろうか。

 15年、20年後、震災を知らない子どもたちがプロ野球選手になったとき、選手たちと共有した笑顔を思い出し、そこで聞いた言葉と思いを伝えていってくれるはずだ。だから続けていくこと、伝えていくことはやめてはいけない。

文=阿部ちはる 写真=BBM

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