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週刊ベースボール60周年記念企画

【週ベ60周年記念企画65】『特集 藤尾茂・涙の闘魂』【1959年7月8日号】

 

2018年に創刊60周年を迎える『週刊ベースボール』。おかげ様で、すでに通算3400号を超えている。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。

本当だった金田正一がノーサインで投げていた伝説


表紙は巨人広岡達朗


 今回は『1959年7月8日号』。定価30円だ。センターカラーは『勝利の握手』。国鉄・金田正一と確執のウワサもあった宇野光雄監督の握手だ。

 本文巻頭は『特集 藤尾茂・涙の闘魂』。この年、捕手から外野にコンバートした巨人・藤尾の話だ。長男が生死をさまよう大ケガを負ったが、奇跡的に回復し、藤尾もまた健闘を続けているという話だった。

 パ・リーグは4連覇を狙った本命西鉄がなかなか波に乗れない。その最大の要因は主砲・中西太の欠場だ。『牙を失ったライオンズ〜ベッドの中西は優勝のカギを握っている』という記事があった。

 三原脩監督も「中西は、ケガをしたんだから仕方がないが、皮肉なもので、中西がいたらなあと思う場面がよくあった」と嘆いている。

 本誌先輩記者が中西の自宅を訪ねると、開口一番、「オレというのは、どうしてこうもケガが多いのだろう。太っていて、へんてこな体というのはわかっているが、それにしても多すぎる。えー、そう思わんかい」と言った。

 この年、右肩痛で出遅れた中西。なんとか復帰はしたのだが、6月3日の近鉄戦において、併殺プレーで二塁ベースに入り、一塁に送球する際、右足にスパイクされ大流血で再度離脱となったのだ。慣れないセカンド(本職はサード)、しかも併殺とあってあわてたのかもしれない。

 座談会は『夏の陣が決戦だ』。首位南海を追う2チーム、西鉄から豊田泰光稲尾和久、大毎から荒巻淳が出席している。ペナントレースとはまったく関係ないが、東映の本拠地・駒沢球場の話が面白かったので紹介しよう。

豊田 駒沢球場のファンってのはすごいな。この前、うちとやって負けたときは、ファンが怒っちゃって、東映の連中、弱ったらしいな。

荒巻 年々ひどくなっていくらしいね。そんなにひどかったんか。

稲尾 ええ、やる気でやっているのは張本(勲)だけだ、あとはみんなやめてしまえって(笑)、大変だったらしい。帰れなくなったっていうんだから。

豊田 あそこに行ったら愛嬌振りまいとかにゃだめだ(笑)。それでなかったら帰れなくなっちゃうんだ。だからオレ、打たなかったんだ(笑)。

荒巻 とにかくひどいな。

豊田 一番腹が立つのは子どものことなんかいうのね。子どもができたころはなんかひどかったよ。“もう死んだぞ”とかって、ひどいんだ。非常識だよね。まあそういうようなのは相手にしたってしょうがないしね。

荒巻 やっぱり石が飛ぶらしいね。

豊田 うん。石のないところから石が飛んでくるんだから、不思議でしょうがない(笑)

 いやはや、物騒な話である、

 きょうは大みそか、2017年の最後の1日だ。2018年が皆さんにとってよい年になりますように。

 では、またあした、また来年。

<次回に続く>

写真=BBM
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