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【週ベ60周年記念企画66】『特集 千葉茂の苦悩』【1959年7月15日増大号】

 

2018年に創刊60周年を迎える『週刊ベースボール』。おかげ様で、すでに通算3400号を超えている。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。

座談会『新時代の巨・神戦と初の天覧試合』


表紙は南海・野村克也、二出川審判


 今回は『1959年7月15日増大号』。定価は10円上がって40円だ。センターカラーは『薄暮の後楽園球場』。センターグラビアが8ページから12ページと増えていた。巻頭グラビアのトップページでは雨天中止となった後楽園球場で空を見上げる背広姿の長嶋茂雄広岡達朗。6月25日の巨人阪神戦(後楽園)が「天覧試合」と決まったようだ。ほか出場停止処分の東映・山本八郎が修行のため禅寺に入った写真もある。
 
 座談会は『新時代の巨・神戦と初の天覧試合』。巨人・坂崎一彦王貞治、阪神・藤本勝巳村山実が出席者だ。これは、ある意味、衝撃的である。坂崎、王、藤本はすべて天覧試合でホームランを打った男、村山はサヨナラ弾を長嶋に打たれた男。長嶋こそいないが、まさに神がかり的な人選だ。

 投手の村山のみ試合出場が微妙だったが、「やっぱりなんとかして出たいですね」と興奮気味。「ほんと、どうなるかわからなくなると思いますね。天皇陛下が見ていたって、ホームランは打たれるんだから(笑)」という言葉もあった。

 本文巻頭は『千葉茂と苦悩と夢』。この年から近鉄の監督となった千葉茂の話だ。試合中、めまいを起こし、倒れ、入院してしまったらしい。チームは低迷。選手からもまったくやる気が感じられない。千葉監督は頑張れば頑張るほど、空回りになっていたようだ。

『特別レポート エースは訴える!』では各投手により、自己分析の言葉があった。何人かピックアップする。

南海・杉浦忠 これといってウイニング・ショットはない。球の配合がすべてだ。たとえばインコースに投げたら、次はアウトコースにカーブを投げるといった、ごく当たり前のこと。調子がいいときは、それだけで大丈夫だ。

西鉄・稲尾和久 ウイニング・ショットは、あくまでストレート。もちろんカーブやシュート、スライダー、落ちる球など変化球も投げるが、勝負どころではストレートだ。このストレートが打たれればダメだと思っている。

阪神・小山正明 ウイニング・ショットはスピードのあるストレート。自分の場合は、高低よりも、コースで勝負することが多い。スピードに自信がないときは、けっきょくカーブとシュートを主体としたピッチングになってしまうことが多い。

 ビル西田がハワイに戻った東映にはアレキサンダー投手が緊急入団。仇名はもちろん「大王」だ。メジャーで9試合に登板した右腕。当時のメジャーで登板歴があったのは、53年のカイリー(毎日)以来2人目だった。

 最後になりましたが、あけましておめでとう。では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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