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【高校野球】センバツ「21世紀枠」を大胆予想!

 

写真は昨年のセンバツ選考委員会。今年は90回の記念大会のため、例年よりも4校増の36校が選出される


 球春到来――。

 2月1日のプロ野球キャンプインよりも早く、高校球児に“春便り”が届く。

 1月26日、第90回記念選抜高校野球大会の選考委員会が大阪市内で行われ、一般選考枠33校、21世紀枠3校が選出される。

 高校球児の“運命”を決めるこの日は、約7時間に及ぶ長丁場だ。午前9時、全国9地区の21世紀枠推薦理由説明から始まり、選考委員会総会、21世紀枠特別選考委員会、地区別小委員会を経て、15時に21世紀枠3校が発表。次いで選考委員会総会が再開され一般選考枠33校が、北から順に承認されていく。最終的に夕方4時前には全出場校が明らかとなる予定だ。

 センバツの特色と言えば「21世紀枠」である。実力以外の部分が評価対象(模範校、困難克服校など)で、毎年、ドラマ性のある学校が名乗りを上げる。東日本(東海、北信越以東)と西日本(近畿以西)から1校が選出され、残る1校は地域を限定せずに選出されるが、一般選考枠と関連付けて出場校を予想していきたい。

 今年は90回の記念大会であるため、例年よりも4校増の36校。東北、東海、北信越が「2→3」で、中国・四国で「5」だったのが、中国「3」四国「3」に増枠され、明治神宮大会枠(昨年11月の同大会で高知・明徳義塾高が優勝)は四国地区に割り振られる。つまり、北海道(1)、関東・東京(6)、近畿(6)、九州(4)が昨年と枠が変わらない。

 過去の「選考理由」として、甲子園に出場する機会のない地域に夢と希望を与えるとの旨の説明があった。この趣旨に該当させると、21世紀枠の東日本の一番手には函館工高(北海道)、そして西日本は、伊万里高(佐賀)が挙がってくるような気がする。

 一般選考枠「1」の北海道は毎年、前年秋の北海道大会で優勝しない限りは、センバツ出場の可能性はほぼない狭き門である。第85回記念大会で遠軽が選出されて以来、北海道地区の21世紀枠は遠ざかっているだけに、タイミングとしても申し分ない。函館工高が出場を決めれば1958年以来、60年ぶりで、地元は盛り上がるに違いない。

 また、佐賀勢は2007年(第79回大会)の小城高からちょうど10年のブランクが空いている。01年に21世紀枠が導入されてから、佐賀勢が選出されたことはない。九州地区の推薦校に残ったのも05年の佐賀西以来であり、伊万里高へ“希望の光”を当てるには絶好の機会と言える。

 東西に限定せず選出するラスト1校は、下関西高が夢切符を手にしそうな気がする。すでに多くのメディアでも取り上げられているが、センバツ開会式後、開幕試合の始球式は文部科学大臣がその大役を担う習わしがある。

 林芳正・文科相が下関西高OB。こうした“タイミング”も無視できないだけに、母校が甲子園出場(決まれば1951年夏以来、春は初)ともなれば、これ以上の話題性はないだろう。

 とはいえ、当日まで何が起こるか分からないのがセンバツ選考委員会。各9地区の高野連役員がプレゼンする「21世紀枠推薦理由説明」での内容、そしてアピール度で、選考委員の心を大きく動かすだけに、今年も朝9時から白熱の展開は必至である。

文=岡本朋祐 写真=BBM
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