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週刊ベースボール60周年記念企画

【週ベ60周年記念企画92】『連載小説 黒眼鏡の打者…五味康祐』【1960年1月13日新年特別号】

 

今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。おかげ様で、まもなく通算3500号を迎える。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。

本文巻頭は『麻雀コーチじゃ巨人は勝てない!〜冷たくなった水原・川上の関係』


表紙は巨人長嶋茂雄


 今回は『1960年1月13日新年号』。定価は10円上がった40円で、久々のセンターカラーは南海・杉浦忠夫妻だ。

 巻頭グラビアは『しっかりやろうぜ!!〜捲土重来を期す巨人の闘将』。長嶋茂雄と親友・石原裕次郎の2ショットほか、広岡達朗らのゴルフシーンも掲載されている。

 本文巻頭は『麻雀コーチじゃ巨人は勝てない!〜冷たくなった水原・川上の関係』がなかなか激しい。辛口の評論家として人気があったが、指導者のとしての評判はいまいちだった浜崎真二のピッチングコーチ就任で、巨人のチーム内に不協和音という話である。「麻雀コーチ」というのは、水原茂監督と浜崎が麻雀仲間であることを揶揄してだった。

『猿がとり持つ小山(阪神)の婚約』という記事もあった。

 阪神のエース・小山正明と慶大のスーパースターであり、阪急草創期の主力でもあった故・宮武三郎の愛娘の婚約。これはこれで大変おめでたい話だが、出会いが面白い。合宿暮らしの寂しさで、なぜか猿を飼ってみようと思い立った小山が、人づてに「譲ってもいい」という話を聞いたのが、生前の宮武が大切に飼っていた「もんちゃん」。ただ、猿を引き取りに宮武家に行くまで、あの「大先輩の宮武さん」とはまったく知らなかったという。

 対談は2つ。まず『バットで勝利を叩き出せ』が大毎・山内和弘、巨人・長嶋茂雄、大洋・桑田武、『トンチ家族放談』が大洋の土井淳夫妻、国鉄・町田行彦夫妻、巨人・安原達佳夫妻の登場だ。

 この号の目玉は、表紙文字にもなっている五味康祐著の『連載小説 黒眼鏡の打者』。

 五味は時代小説作家として有名だった人物。いきなりの行きずりの男女のベットシーン(事後)からスタートし、フィクションかと思ったが、大洋・三原監督と実名があり、最後は、その女性が出会った青年の写真が新聞に載っているのを発見。見出しは、

 天才打者江川・大洋に入団?
 今日三原監督と対面。

 もちろん、あの江川卓は、まだ幼くまったく関係がない。なお、翌週号が1月1日発売とあって驚いた。いまは取次の問題から発売が認められていない日だ。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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