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【大学野球】駒大野球の象徴へ! 昨夏甲子園優勝・花咲徳栄の一、二番コンビ

 

昨夏の甲子園で初の全国制覇を遂げた花咲徳栄高(埼玉)の一、二番コンビである太刀岡(右)と主将・千丸(左)は2月1日、そろって駒大合宿所に入寮した


 昨夏の甲子園で埼玉勢として初の全国制覇を遂げた花咲徳栄高の主将・千丸剛太刀岡蓮が2月1日、駒大野球部合宿所(東京都世田谷区)に入寮した。

 同校からはエース右腕・清水達也中日)と、ポイントゲッターとなった三番・西川愛也西武)がプロ入り。投打の看板選手が甲子園で躍動した一方で、打線の起爆剤となったのが不動の一、二番コンビだった。千丸は1年秋から二塁のレギュラーで一番を担い、2年春と夏の甲子園出場。一方、太刀岡は2年秋からベンチ入り(背番号16)し、中堅の定位置を奪取したのは県大会準決勝で、当時は九番打者だった。

 ところが、埼玉2位で出場した同秋の関東大会は1回戦敗退。翌春のセンバツ甲子園は絶望的となり「夏一本」への再スタートを切った、その後の練習試合から「一番・太刀岡、二番・千丸」の新オーダーが組まれた。

「機動力のある選手が入ったことで、打線が回るようになった」(千丸)

 50メートル走5秒8の俊足・太刀岡に、もともと選球眼に優れ、小技に長けた千丸が続き、バントだけでなく、強攻策でチャンスを広げるなど、幅広い攻撃の形が確立した。

 優勝した昨夏の甲子園では6試合中4試合で初回に得点している。広陵高(広島)との決勝では太刀岡の中前打、千丸の右越え二塁打で無死二、三塁の先制機から、西川の適時打で2点を先制。主導権を握る立ち上がりの集中力は際立っており、チームに勢いをもたらした。

「千丸が二番でなければ、今の自分はない」と太刀岡が言うと、千丸は照れ笑いを浮かべ「そんなことないです。太刀岡は自分よりも良い一番になって結果を出した」と実力を認める。

 2人はそろって、東都大学リーグの名門・駒大に進学。入寮翌日には選手40人が参加する松山キャンプ(14日まで)のメンバーに入り、期待の大きさを感じる。周囲はどうしても、ツートップの再結成を熱望するが、当事者はいたって冷静かつ慎重である。

「いろいろな人から『一、二番コンビ』とか言われますが、気にせずにやっていく。どの打順でも、試合に出られれば幸せ。岩井先生(隆、監督)からも優勝したからといっておごることなく『謙虚に生きなさい』と言われた。大学は大学。高校のことは忘れて、新たなものを築き上げていきたい」(千丸)

「一番下の学年ですし、おごるとか、そんな余裕はない。1年春から出たい気持ちはありますが、力が入ってしまうと良いプレーができない。平常心を忘れずやっていきたい」(太刀岡)

 駒大は昨秋、日大との一部二部入れ替え戦を制して5季ぶりの一部昇格を果たした。甲子園で頂点に立った「経験値」は必ず、神宮でも大きな力になることは間違いない。

「一番・中堅」太刀岡、「二番・二塁」千丸――。

 駒大と言えば、攻守にわたる「緻密な野球」が伝統のスタイルとして定着しており、2人がその“象徴”となる日も、そう遠くはないはずだ。

文=岡本朋祐 写真=BBM
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