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プロ野球デキゴトロジー/2月4日

カネやんロッテ、日本一へ猛烈始動!【1974年2月4日】

 

自らノックバットを持つ金田監督


 プロ野球の歴史の中から、日付にこだわって「その日に何があったのか」紹介していく。今回は2月4日だ。

 1973年、ロッテ監督に就任した400勝左腕・金田正一。惜しくもV逸に終わったこともあり、74年シーズンは燃えに燃えていた、はずだった。

 しかし、2月1日から始まった鹿児島キャンプでは、初日から拍子抜けするくらい静か。「今年は選手の自主性に任せるのか」と思われた。

 それが2月4日、一気に爆発する。日曜日とあって3000人を超すファンを前に「これがプロや」とばかり、“目玉商品”のランニングと猛烈なノックを披露。集まったファンも「話には聞いていたが、すごかとです」と目を白黒させた。

 何しろ、まずはランニングを10キロ、40分。有藤通世が「俺たちは馬車馬みたいだ」と音をあげれば、「そうや、走ればゼニになるんや、走らんかい。死ぬ気でやってみろ」と、すぐさま金田監督がゲキを飛ばす。

 全員がヘトヘトになって走り終わると、金田監督はスタンドに向かって、「みなさん、練習はこれからですよ。うちの猛練習をよく見てください。プロはこのくらい練習しないとダメなんですよ」と言って、今度は内外野5か所で同時にノックスタートだ。

 金田監督も自らバットを取り、捕手の村上公康にノックの雨あられ。合間に「倒れて捕っちゃいかん。倒れて捕るならだれでもできる。それを走りながら捕るんだ。お前はプロだろ。プロならプロらしくしっかり頑張れ」と叫んでいた。

 最後、金田監督の「終わり!」の一声で客席からは大拍手。選手たちはみな頭から足まで泥で真っ黒。金田監督の手のひらもマメがつぶれ、血がにじんでいた。

「うちは長い遠征が多い(宮城が準本拠地の時代)。スタミナと気合がないと勝てんのや。だが、きょうの気合があれば大丈夫。今年は絶対優勝や!」

 意気軒高の金田監督。この猛練習は以後も連日続いた。

写真=BBM
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