長嶋監督のあとを数十人の記者がついて回るのは、監督時代と変わらず
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわって「その日に何があったのか」紹介していく。今回は2月6日だ。
週ベのベテラン記者の口癖は「昔のキャンプはすごかったぞ。特に長嶋監督第2期(1993−2001)の宮崎キャンプはお前らにも見せたかったなあ」だ。
オジさんが昔を美化するのは常識。話半分と言いたいが、昔の雑誌を見ると、むしろ「すごいですますなんて、ボキャブラリー貧困ですな」と言いたくなるほど、やっぱり「すごい」。
今回は2001年限りで監督を勇退した
長嶋茂雄監督が、翌02年の春季キャンプを「
巨人終身名誉監督」として視察スタートの日だ。写真の記者の数から当時の雰囲気を感じてもらえるのではないか。
一番最初2月6日に訪れたのは、沖縄・浦添の
ヤクルトキャンプ。白に近いベージュのジャケットで球場に姿を現すとファンからは一斉に「オーッ!」のどよめきが起こった。
前年、長嶋巨人との激闘を制し、王者となったヤクルトの
若松勉監督も、ほとんど少年時代の長嶋ファンに戻ったような表情で「相変わらずカッコいいですね」。長嶋さん、こんなセリフにも照れる様子もなく、「暑いですね、やはり沖縄は暑いです、はい」。いつものようにマイペースだった。
写真=林伸吉郎