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週刊ベースボール60周年記念企画

【週ベ60周年記念企画104】『特集 激突した覇者(南海・巨人)の内幕』【1960年4月6日号】

 

今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。

『フォトインタビュー』にスタンカ


表紙は西鉄・稲尾和久


 今回は『1960年4月6日号』。定価は30円だ。グラビアは各地で行われているオープン戦が中心だが、グラビア1ページと対向の本文1ページを使った『フォトインタビュー』では「威力見せるか舶来兵器」の見出しで、南海の新外国人投手、198センチの巨漢スタンカが登場。鶴岡一人監督は「まだ未知数や。やってみな分からん」と言いながらも、「だけど私の見たところでは15は勝つような気がする。非常に好感のもてる選手だ」と高い評価をしている。

 新外国人では、阪神のテストを受けた23歳のマイク・ソロコウ(ソロムコ)の記事もあった。米陸軍一等兵でキャンプ座間のスペシャルサービス課に勤務するGIだ。

 本文巻頭は、『激突した覇者の内幕〜裏から見た南海・巨人四連戦』。3月10日から14日にかけ、高松、相生、大阪と転戦した南海─巨人オープン戦のインサイドレポートだ。

 日本シリーズで大勝した南海のヤジが激しかったようで、しかも新婚の森昌彦に、「腰が軽いぞ。もっと腰を落ち着かせんか。ここはグラウンドやで。間違えちゃアカンわ」とか、やや悪ノリ気味。巨人の広岡達朗主将は、「南海の連中は日本選手権をとったせいか、ずいぶん生意気になった。きょうのヤジはあまりにひどすぎる。このお返しはことし勝って必ずしてやらなくてはならぬ」と憤っていた。

 対談では巨人のベテラン、別所毅彦と新人投手・堀本律雄が登場。Wエースだった藤田元司、掘内庄がいずれも故障に苦しんでいたことで別所の鼻息は荒く、

「10勝はしたいね。そして、よければ15勝だね。その目標のためにスプリング・トレーニングから頑張ったんだから。10勝以下なら引退ということを考えなきゃいかんもん。10勝以上できれば、来年も会社が契約してくれると思うな」

 実際には9勝。翌61年はコーチ兼任で選手登録はあったが、登板はない。

 今回は小ネタを2つ。創刊100号を記念し、3月2日発売で日立ラジオが当たる読者調査というのがあったのだが、その抽選になんと神田警察が立ち会ったという(写真も掲載。枚数が半端じゃない!)。また、表紙裏に田中鉄砲製作所の空気銃の広告があった。ダイアナ・ジェット号というらしい。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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