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背番号物語

【背番号物語】「#58」常勝ホークスを支える絶対的クローザーの看板

 

背番号は選手たちの「もうひとつの顔」だ。ある選手が引退しても、またある選手がその「顔」を受け継ぐ。その歴史を週刊ベースボールONLINEで紐解いていこう。

ソフトバンクの50番台



 迎えた2018年、50番台に並ぶ選手の豪華さで群を抜いているのはソフトバンクだろう。序章のソフトバンクや50番台の各章とも重複する部分もあるが、先頭を切るのが「50」の攝津正。1年目からリリーフでフル回転して新人王、以降2年連続で最優秀中継ぎ投手に。先発に転向すると11年から5年連続で2ケタ勝利を挙げる。16年からは精彩を欠いており、迎えるシーズンは背水の陣で臨む右腕だ。

「51」は若手有望株の上林誠知で、続く「52」はベテランの川崎宗則。「53」は鉄腕の五十嵐亮太……。“トドメ”は、やはり「58」のサファテだ。次々とリリーバーを繰り出す工藤公康監督の継投策における“トドメ”でもある。17年はプロ野球記録を更新する54セーブ。サファテの「58」がマウンドに輝くと、「さぁ勝った」と球場を後にするクールな鷹党もいると聞く。それだけ絶対的なクローザーだ、ということだ。

【12球団主な歴代背番号「58」】
巨人 大竹憲治西本聖斉藤宜之星孝典立岡宗一郎

阪神 中村典夫吉川弘幸右田雅彦矢野正之荒木郁也

中日 広瀬明彦江本晃一八木智哉大西崇之谷哲也☆(2018〜)

オリックス 安藤英志、村上宏道、石田真山中賢次金田和之

ソフトバンク 鐘井裕治頓田国満辻武史中西健太、サファテ☆

日本ハム 佐野嘉幸佐藤文彦稲葉篤紀高口隆行横尾俊建

ロッテ 安岡正博、中西邦之、吉岡知毅青野毅高野圭佑

DeNA 渡辺政好高垣義広宮内洋、亜斗里(大田亜斗里)、武藤祐太☆(2018〜)

西武 平塚宝山中重信宮地克彦松坂健太熊代聖人

広島 城野勝博松本隆小島紳二郎(心二郎)、サファテ、ジャクソン

ヤクルト 羅本新二飯田哲也ホッジス阿部健太屋宜照悟

楽天 長坂健冶、木村考壱朗、辛島航
(☆は現役)

「58」と「26」を着けた好投手


巨人・西本聖


 サファテが「58」と出合ったのは11年の広島で、1年目からクローザーとなって35セーブ。のちに1年だけ在籍した西武では「26」を着けている。

 プロで初めて着けた背番号が「58」で、長く「26」で活躍したのが巨人の西本聖だ。1975年にドラフト外で入団し、一軍にたどり着いた2年目まで着けていたのが「58」。のちにライバル視した江川卓は入団前で、ドラフト1位で指名された同期入団でアイドル的な人気を誇った定岡正二の存在がエネルギー源だったころだ。

 広島でサファテの後継者となっているのは同じく助っ人リリーバーのジャクソン。巨人で「58」を受け継いでいるのはサファテのいるソフトバンクから12年シーズン途中に移籍してきた立岡宗一郎で、古巣では出場機会に恵まれず、新天地で台頭した外野手だ。

 打者で出世番号とした筆頭格がヤクルトの飯田哲也。「58」の捕手だったが、野村克也新監督に二塁へ回されてレギュラー定着、その後は俊足強肩の中堅手として活躍して、野村監督の率いる楽天で引退した。

 稲葉篤紀がヤクルトから移籍した1年目だけ着けた日本ハムの系譜をさかのぼると、南海へ移籍して野村兼任監督の初優勝に遊撃手として貢献した佐野嘉幸もいる。中日で長く背負った大西崇之は98年、やはり絶対的なクローザーとして君臨していた横浜の佐々木主浩がシーズン唯一の本塁打を食らった外野手だ。

写真=BBM
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