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週刊ベースボール60周年記念企画

【週ベ60周年記念企画117】『特集 三原・水原“北海道の対決”』【1960年7月6日号】

 

今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。

『駒沢球場ヤジ合戦』


表紙は阪神吉田義男


 今回は『1960年7月6日号』。定価は30円だ。巻頭グラビアは『巨人・大洋北海道遠征グラフ』。盛大な前夜祭の模様などが掲載されている。前年も似た記事があったが、そのときは巨人中心。今回は扉ページから秋山登ら大洋の選手たちが定番のポプラ並木の散歩をしている。

 本文巻頭も『三原、水原北海道の対決〜さいはての巌流島その舞台裏』。6月12日時点では同率ながら2位大洋、3位巨人で北海道決戦。三原脩が西鉄監督だった時代から水原茂の巨人との対決は「巌流島」と言われていたが、この年もその気運が高まってきた。締め切りまでには1戦目しか終わっていなかったようだが、ムード的には水原茂監督に焦りが見え、大洋有利のような記事構成だった。ただし、結果は巨人の3連勝。セの混戦は続く。

『駒沢球場ヤジ合戦』という記事もあった。12球団一、観客のヤジが汚いとウワサがあった東映の本拠地球場だ。味方、敵とヤジの例を挙げていこう(順不同)。

「暴力は東映、ガラの悪い東映」

「だまれ、三塁側の自然動物園」

「二出川さん、あなたが審判をやっているとわれわれファンはファン(不安)で仕方がない」

「あんなのがセーフか、インチキセーフ(政府)安保反対」

「いまのタッチ、ナイスタッチ。カシミヤタッチのカシミロン」

 面白いかどうかは分からないが、ヤジはタイミングも大事。実際、楽しみで駒沢球場に通っていた人もいたという。

『ホームランと結婚』という記事もあった。新婚の南海・野村克也だが、お相手はもちろんサッチーではない。

『藤田の力投と巨人の内部』では、6月12日広島戦で今季初勝利を飾った巨人・藤田元司のドキュメントだ。肩の痛みはまだ癒えていないが、闘志の男は必死に投げ続けていた……。

 座談会は『遊撃はチビの天下だ!』とかなり失礼なタイトルで、阪神・吉田義男、阪急・本屋敷錦吾(初出から修正)、大洋・浜中祥和が登場。「あまり背のことは言わんようにしてくださいよ」と苦笑していた吉田は、「大きい連中で、力のある者が余計にヒットを飛ばすとは限らない。関取がホームランを簡単に打てるかというと、そうじゃない。野球にはタイミングに合わせる勘といったものが必要」とも話していた。

 なお、この座談会のページにオールスターの投票用紙が載っていた。これに書き込み、封書で送れということらしい。

 以下は宣伝です。しばらく、まったく同じ文を掲載します。

 現在、週刊ベースボール60周年企画として「週べでつづる12球団史」を制作中。第1弾は3月14日発売予定の巨人編です。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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