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週刊ベースボール60周年記念企画

【週ベ60周年記念企画124】『特集 巨人にかくし投手がいた? 優勝を夫に賭ける 鶴岡一子、西本和子』【1960年8月24日号】

 

今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。

速報『中西ついに主将を返上』


表紙は南海・杉浦忠


 今回は『1960年8月24日号』。定価は30円だ。巻頭グラビアは『板東“完全試合”を逸す』。8月2日、熱帯夜の中日球場で中日の2年目、板東英二巨人を相手に完全試合あと一歩まで迫った試合を特集(最終的には3対1で中日勝利)。板東は「巨人戦に投げるのは三度の飯より好き」と語っていた。

 巻頭特集は『巨人にかくし投手がいた?』。巨人不振時の恒例企画のようでもあるが、投手陣が堀本律雄とせいぜい大ベテラン・別所毅彦しか当てにならない状況で、在野に新戦力を求めていたらしい。候補として外国人投手、アマチュア選手の名が挙がっていたが、記事を読む限り、あまり現実的な話ではなかったようだ。なお、前年の企画では、これに堀本の名前が挙がっていた。

 中日については『杉下茂は男になれるか』という記事があった。監督2年目の杉下の下、セの首位を走っていた中日だが、「ファンだけでなく杉下はだれにでもソッポを向かれている」と手厳しい。本当かどうかは分からないが、好き嫌いで選手を起用しているという批判が多かったらしい。この人の性格を考えると、ありえないようにも思うが。

 連載『佐々木信也対談』は、その中日の四番打者・森徹が登場。「昼間は暑くて大変だから、試合が終わってからにしませんか」という森の提案でスタートは夜11時、いわば「真夜中の対談」だった。

 パで熾烈な優勝争いを演じていた大毎、南海関連では、『優勝を夫に賭ける』という記事で南海・鶴岡一人監督夫人の一子さん、大毎・西本幸雄監督夫人の和子さんが登場。

 後妻でもあった一子夫人の話は、次の逸話から始まる。59年南海が初の日本一に輝き、御堂筋パレードが行われたが、前夜、夫人がひそかに宿舎の鶴岡に届けさせたのは、その1年前に亡くなった前夫人・文子さんの位牌だった。宝塚出身だったというが、気配りに長け、鶴岡と文子さんとの子どもたちとも仲良くやっていた。

 西本夫人の和子さんは、非常に物静かで、野球のことはあまり知らない。西本監督は家でも無口だったらしく、静かな家庭だったようだ。文中では「敗戦を境に消えてしまった古い日本の女の美しさをもった和子夫人」とあった。

 速報『中西ついに主将を返上』では左手首の故障に苦しむ西鉄・中西太がシーズン中にもかかわらず、主将を返上したという内容。「働きもしないのに主将を受けていましたが、いまの状態ではファンに対しても申し訳ない」と会見で語っていた。

 以下は宣伝です。しばらく、まったく同じ文を掲載します。

 現在、週刊ベースボール60周年企画として「週べでつづる12球団史」を制作中。第1弾は3月14日発売予定の巨人編です。
 
 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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