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ロッテ・柿沼友哉の挑戦

 

開幕一軍の切符をつかんだ柿沼


 2018年のロッテの開幕一軍メンバーに背番号99が名を連ねた。16年の育成ドラフト2位、捕手の柿沼友哉だ。

 1年目から二軍でレギュラーの座をつかみ、シーズン途中に支配下契約を勝ち取ると、昨季は6月に初の一軍登録、一軍初出場を果たした。それは自身が掲げた最低限の目標ではあったが、だからこそ悔しさがつのった。

「試合に出ることはできましたけど、『空気に触れさせる』っていうだけで終わってしまったので、ちょっと悔しいですね。せっかく上げてもらったチャンスをつかみ取って、シーズンの最後まで残りたいと思っていたので」

 シーズンのすう勢が決した9月下旬には2度目の一軍昇格。9月26日のオリックス戦(ZOZOマリン)では初のスタメンマスクをかぶり、やはり一軍初先発となった成田翔を必死にリードした。2つの盗塁刺も決め、「スローイングが一番の武器」と話していた自らのストロングポイントをアピール。3年目の飛躍へ向け、着実に準備を整えていた。

 柿沼の名が世に知れたのは16年のオフにメキシコ・モンテレイで開催された第1回WBSC U-23ワールドカップだ。若き侍ジャパンの正捕手として優勝に貢献。互いに特徴も分からぬ中で、投手陣と話し合いながら、自分たちで考え、模索し、試合を組み立てた。

「あれから自分の意見をピッチャーに伝えられるようになってきた。自分で考えて、意見を交換することで、インサイドワークという面でも少しずつ成長できていると思います」

 昨季は正捕手の田村龍弘に次ぐ61試合に出場した実力者の吉田裕太が二軍スタートとなった。その中でつかんだ開幕一軍切符。それどころか、江村直也を差し置いて2番手捕手の座もつかみつつある。

 育成からはい上がって迎える3年目。田村の牙城を突き崩すのは簡単ではないが、自らの存在価値を証明する勝負の1年がスタートしたのは間違いない。

文=杉浦多夢 写真=井田新輔
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