週刊ベースボールONLINE

プロ野球仰天伝説

【プロ野球仰天伝説77】神のお告げで帰国した男【助っ人トンデモ話】

 

長いプロ野球の歴史の中で、数えきれない伝説が紡がれた。その一つひとつが、野球という国民的スポーツの面白さを倍増させたのは間違いない。野球ファンを“仰天”させた伝説。その数々を紹介していこう。

グリーンウェル[1997−途 阪神/外野手]



 阪神が外国人補強で迷走していた時代。究極とも言えるダメ助っ人が1997年に来日したグリーンウェルだ。レッドソックスの外野手として何度も打率3割をマーク。当時としては破格の年俸3億6000万円で阪神に入団した。

 しかしキャンプでは、まったくやる気を見せず、タラタラ、タラタラ。その後、背中を痛めていきなり帰国してしまった(このとき多くの虎ファンは嫌な予感がしたという)。それでも4月30日に再来日し、初出場の5月3日広島戦(甲子園)では2安打2打点でお立ち台に上がった。だが好調は3日ほどで、以後、急失速する。

 5月11日の巨人戦(東京ドーム)で右足甲に自打球を当て、骨折と判明。すぐグリーンウェルは球団社長と会談し、「骨折は私に野球から身を引けという神のお告げ」と退団を申し入れた。

 すでにアメリカに農場とアミューズメントパーク、レーシングチームまで持っており、阪神入りも半ば小遣い稼ぎ、観光気分だったとも言われる。

 吉田義男監督はすでにあきれていたのか、「パッと来て、パッと帰った。まるで竜巻のようなもの。彼の存在は功罪半ばと受け止めています。なごやかな別れですっきりしました」と淡々と話した。年俸は6割が支払われたという。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング