今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。 『SFジャイアンツの招待状』
今回は『1960年11月30日号』。定価は30円だ。後ろグラビアには、かの有名な早慶6連戦(初出から修正)の途中経過。扉は第3戦、プロの争奪戦となっていた早大のスラッガー、
徳武定之のホームへのスライディングだ。いや、これはスライディングではなく、飛び蹴りとしか見えない。捕手の大橋は落球、以後、もみあいとなった。
『今週の話題』には大洋でマネジャーをしている、往年の名外野手・
平山菊二が登場。
三原脩監督の提案で日本一のお祝いにハワイ旅行を企画したのだが、これが大蔵省の横やりで暗礁に乗り上げていたらしい。いわく「外貨節約のため渡航はまかりならぬ」。向こうで有料の試合をし、逆にドルを持ち帰るくらいでないと許可が出ないという。時代である。
本文巻頭特集は『川上監督、広岡コーチ、長嶋主将の実現性』。
水原茂監督は、東映・大川博オーナーとの極秘会見がスクープされていたが、進退は明らかになっておらず、現在
巨人は
川上哲治代理監督の下、新潟での秋のオープン戦に出かけていた。
『SFジャイアンツの招待状』は、来日していたSFジャイアンツが日本人選手を翌春のキャンプに招待したという記事だ。ストーンハム会長が正式な招待を表明したのは、南海のサブマリン、
杉浦忠と大洋のスラッガー、
桑田武。「キャンプの結果、有望であれば、さらに本人と球団の話し合いがまとまれば、マイナーを振り出しに大リーグでやってほしい」と、かなり本気で2人も「可能なら」と語っていたが、いずれも球団の反対で実現しなかった。
『第六回プロ野球人ゴルフ大会』の告知もあった。小社主催で球界の大物が集まる恒例の大会なのだが(いまはやってない)、驚いたことに参加者を公募している。参加資格はプロ野球関係者及び関係者とあった。手紙の宛先も明記されていたが、本当に応募はあったのだろうか。
以下、宣伝。
いよいよ週べ60年記念シリーズ『巨人編』が本日発売(一部地域を除く)。次回は
日本ハム予定です。
では、またあした。
<次回に続く>
写真=BBM