今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。 『特別座談会 選手は新監督に希望する』
今回は『1960年12月14日号』(初出から修正)。定価は10円上がって40円だ。グラビア巻頭は『川上監督登場す』。扉の写真は前監督・
水原茂と川上哲治新監督の笑顔の握手だ。就任後、小社にもあいさつに来たようで、初代社長・池田恒雄との2ショットがあった。
本文巻頭の『背番号16川上監督の登場まで』では就任までの経緯などが書かれ、最後に一問一答がある。
──巨人の監督として考えていること。
川上 プロ野球は職業だ。橋の下や草っ原で娯楽してやっている野球とは同じスポーツでも違うものだ。職業意識に徹して、もっと真剣に取り組んでいかねばいかん。巨人軍の一員としての誇りを持ち、あらゆる面でプロ野球のリーダーとしていくように努力しなければいけないと思っている。上は社長から下は一年生の選手にいたるまで一体となって努力することだと思う。
川上監督らしい硬い言葉ではある。この時点では水原前監督は球団重役として残り、川上監督のサポートをすることになっていた。
その後『特別座談会 選手は新監督に希望する』では巨人の
別所毅彦、
広岡達朗、
藤尾茂、
国松彰が登場。新監督・川上の下、頑張ると張り切る別所に対し、確執もウワサされる広岡は「やってみないことには分からない」とやや微妙な受け答えだった。
『
佐々木信也連載対談』では「20才選手のなやみ」のタイトルで巨人・
王貞治がゲスト。年賀状をめぐりこんなやり取りがあった。
王 ファンレターは返事が書けないんですよ、読むのが精いっぱいで。
佐々木 そうだろうな。
王 だから年賀状で、ファンレターを書けない分、全部あれしていたんですよ。
佐々木 じゃあ、年賀状がすごいだろ。
王 多いですね。
佐々木 何千枚になっちゃうんじゃないの。
王 そうです。今年の正月は四千くらいあったです。だから、印刷して自分のサインだけ書くんです。
佐々木 それでも大変だろう、相手の宛名書くのが大変だから。
王 宛名は刷れませんからね(笑)。
佐々木 四千だと1枚4円のハガキを使ったとしても、相当な額だよ。サラリーマンの1カ月分だよ。
以下、宣伝。
週べ60年記念シリーズ『巨人編』が好評発売中。次回は
日本ハムの予定です。
では、またあした。
<次回に続く>
写真=BBM