今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。 『監督の座を追われた西本の心境』
今回は『1960年12月28日号』。定価は30円だ。もめていた監督問題が、また一つ決着。大毎・
西本幸雄監督が退任し、国鉄前監督・
宇野光雄の新監督就任が決まった。最下位で解任された監督が優勝チームの監督になるのは異例である、というかV監督の解任自体、珍しいが。
『監督の座を追われた西本の心境』という記事があった。和歌山中の先輩である宇野新監督からコーチ就任の要請があるのでは、というウワサもあったようだが、西本は「宇野さんとは一緒にやってみたいが、個人的な気持ちでは表明できない問題だ」と話していた。
また「俺から野球を取りさってしまったら何も残らんよ。俺は一生、野球から足を洗えないんだ」と言っていた西本に今後について聞くと、
「若手選手の育成という仕事には、今でも魅力を感じている。働き甲斐のある仕事だと思っている」と答えている。
濃人渉が新監督となった
中日には、巨人を事実上クビとなった
与那嶺要が入団。巨人は34歳の年齢を理由にプレー継続を希望する与那嶺を切った。
その後、近鉄からオファーがあったようだが、与那嶺は「巨人がそのつもりなら必ずカムバックして、巨人に目を見張らせてやる。そのためにセントラルに残りたい」と誓った。74年につながるドラマの始まりだ。
本文巻頭特集は『川上の考える三つの人事』。大改革の話かと思ったが、むしろチームの和を重視したようだ。唯一の例外が
川上哲治監督が現役時代、首位打者などを競ったチーム内ライバル、与那嶺の放出だった。まだ、
水原茂前監督の去就は明らかになっていない。
ちなみにこの本、10ページからいきなり15ページに飛び、70ページから71ページの間に飛んだページが入っている。合本制作時のミスならいいが……。そうでなかったときように、購読された方に、先輩になり代わり、お詫びします。すいません。
以下、宣伝。
週べ60年記念シリーズ『巨人編』が好評発売中。次回は
日本ハムの予定です。
では、またあした。
<次回に続く>
写真=BBM