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センバツ現場発

センバツ現場発/大阪桐蔭に勝って甲子園へ!夏にリベンジを誓う履正社の主将・浜内太陽

 

第90回記念選抜高校野球大会が3月23日、阪神甲子園球場で開幕した。球児による13日間(準々決勝翌日の休養日1日を含む)の熱戦が繰り広げられるが、現場でしか分からない「センバツリポート」をお届けしていく。

「甲子園はあらためて良い場所だと思った」


昨春のセンバツ準優勝・履正社高の主将・浜内は開会式を一人で行進。準優勝旗を返還し、夏への思いを新たにした


 2018年、この2校が同時に甲子園に立つことはない。夏の甲子園は第100回の記念大会。大阪は従来よりも増枠により、北と南から1校ずつが出場する。昨春のセンバツ決勝で対戦した大阪桐蔭高と履正社高は同じ「北大阪」となった。

 前年優勝・大阪桐蔭高は昨秋の近畿大会を制し今春、4年連続でのセンバツ出場。3月23日の開会式を18人で入場行進したのに対して、前年準優勝の履正社高は主将・浜内太陽外野手(3年)の一人のみ。準優勝旗を返還した浜内は、昨年の決勝では「五番・一塁」で先発出場し、2安打2打点をマークしている。

 開会式で前を歩く大阪桐蔭高の隊列を見た浜内は「うらやましかった。チームメートと一緒に来たかった」と正直な思いを口にした。だが、心はすでに夏に向いている。履正社高は昨秋、近畿大会初戦で敗退したものの、センバツ選考委員会では近畿地区の補欠2位校に入った。本来ならば、1勝を挙げた8強進出校の中から選ばれるのが一般的だ。選考委員は「全国レベルでも戦える。履正社の力を見ると、考えられる」との見解を示し、履正社高の高い実力を評価していた。

 旧チームは三番・安田尚憲ロッテ)、四番・若林将平(慶大)と2人の超高校級スラッガーをそろえていたが、現チームは「絶対的な存在はいない」と浜内は自チームを分析する。

 それでは、履正社高が大阪桐蔭高を上回る部分はあるのか――。 

「個々の能力は大阪桐蔭のほうが上。チーム力でカバーしていきたい。頭も使っていけば、超えられる部分はある」

 浜内は三番打者として、高校通算12本塁打をマークしているが、長打を狙うのではなく、キャプテン自らが率先して、つなぎの姿勢、好機での勝負強さに磨きをかけていきたいという。

 開会式を待つまでの約1時間、室内練習場では大阪桐蔭高ナインと会話を交わしたという。

 親交を深める中でも、ライバル同士。やはり、本音の部分は明かさなかったようだ。大阪桐蔭高・根尾昂(3年)は「この大会が終われば、履正社以外の大阪の高校も『打倒・桐蔭』でくるはず。負けられない思いはある」と警戒感を口にする。

「甲子園はあらためて良い場所だと思った。高校球児、あこがれの舞台。独特の雰囲気がある。夏に戻って来られるように、この思いを還元していきたい」(浜内)

 そして、再び決意を語った。

「何としても、大阪桐蔭に勝ちたい!!」

「太陽」のごとく、輝く夏にするために――。開会式を終えた浜内は、大きな収穫を履正社高グラウンドへ持ち帰った。

文=岡本朋祐 写真=石井愛子
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