東邦高・石川昂弥[内野手/2年]
まさに起死回生の一発だった。事実上のセンバツ出場権がかかった三重との東海大会準決勝。1点を追う9回は二死一塁。石川昂弥が土壇場で打席に入った。
「自分で決めるつもりだった。狙って打ったのも、右方向も初めて」
それまで短く持っていたバットを長く持ち替え、右中間へ逆転2ランを放った。
そんな活躍にも本人は冷静だった。
「三重戦はあの一発だけだった。それまでのチャンスで打っていれば、あんな苦しい試合にはならなかった」
その反省を胸に、本番に向けてさらなる打力アップに取り組んだ。「もうちょっとパワーをつけて、体を大きくしたい」と厳しいトレーニングに励んだ。
父・尋貴さんは東邦野球部のOB。
山田喜久夫(元
中日)と同期で、メンバー入りはかなわなかったが、1989年にセンバツ優勝したチームの捕手として切磋琢磨した。
「今の代も強い。優勝したい。それくらいのチームだと思う」
主砲としてチームを引っ張るつもりだ。
写真=BBM