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プロ野球仰天伝説

【プロ野球仰天伝説94】コワモテの大沢に投げつけられたバットを投げ返した新人・大石清【怒れる男たち】

 

長いプロ野球の歴史の中で、数えきれない伝説が紡がれた。その一つひとつが、野球という国民的スポーツの面白さを倍増させたのは間違いない。野球ファンを“仰天”させた伝説。その数々を紹介していこう。

他球団に広がったウワサ



 清水商高から1959年に広島に入団した大石清。翌60年には巨人戦の7連勝もあり、26勝を挙げ大ブレークした。内角をどんどん攻める強気なピッチングが売りだったが、1年目のオープン戦でこんな事件もあった。

 南海戦に登板した大石はデッドボールを4つ出した。このうち2つの死球を受けた大沢昌芳(のち啓二)の怒りはすさまじく、2度目のときはバットを大石に向かって投げつけた。もちろん、本気で当てる気はなく、手前で止まったが、大石は無表情のままそれを拾い上げると、逆に南海ベンチに向かって投げ返した。

 その後は両軍のもみ合いとなったが、いつの間にかこのウワサが他球団にも広がり、「あいつはすごい」「心臓に毛が生えている」と評判が立った。

 ただ、本人に聞くと「すいませんと謝って投げ返したんですけど、声が小さかったかな。でも、そういうイメージはプラスでした」と笑っていた。

写真=BBM
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