長いプロ野球の歴史の中で、数えきれない伝説が紡がれた。その一つひとつが、野球という国民的スポーツの面白さを倍増させたのは間違いない。野球ファンを“仰天”させた伝説。その数々を紹介していこう。 ファンからは絶大な人気が
ケンカ八郎と言われながらも、東映ファンに絶大な人気があった山本八郎。2度の無期限出場停止処分を受けた稀有な人物でもある(当時は無期限と言ってもほとんど数カ月で解除されたが)。
1度目は、1958年5月10日。遊ゴロで一塁に駆け込み、一塁手の足が離れたのにアウトと言われ、審判を突き飛ばし退場。一度はベンチに戻ったが、すぐまた飛び出し、審判を殴り倒した。山本は翌日には審判の自宅に謝罪に行き、ファンからの大量の復帰嘆願書が連盟に届けられたこともあり、6月23日には解除された。
翌59年5月30日が2度目。山本がホームでのクロスプレーで捕手を荒っぽいスライディングで吹き飛ばすと、怒った捕手が背中を小突いた。これに対し、振り向きざまに首筋にパンチを浴びせ、退場。
2度目の大きな事件ということもあり、見せしめの意味もあって無期限出場停止となったが、これものち解除となっている。
写真=BBM