今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。 長嶋が驚いた練習
今回は『1961年3月27日号』。定価は30円だ。今回はセンターグラビアで『常夏の国ベロビーチ』で、と題し、巨人キャンプの休日風景も満載。
広岡達朗は尺八を持参し、ドジャースの選手にも聞かせていたようだ。
当時はまだ黒人差別が激しく、ドジャースは
ドン・ニューカムなど黒人の主力が多いにも関わらず、クラブハウスも分けられ、トイレも「ホワイトマン・オンリー」と書いてあったりした。ただ、巨人の選手に関しては、
オマリー会長が大の親日家で特別扱いをしてもらったという。
『連載
佐々木信也対談』では、なんと佐々木がベロビーチで現地取材。長嶋茂雄と対談をしている。長嶋が驚いたという練習を1つ紹介しておこう。
「連携プレーで走者二、三塁にいて、左中間に長打されたという設定。遊撃手は外野の中継に行き、三塁手は三塁のベースカバー。二塁手はわざと(遊撃手方向に)二塁ベースの前方に出る。すると打った走者は完全に二塁打だし、パッパッと二塁ベースをオーバーランする。そのとき打った走者の後ろに一塁手がついていき、パッと二塁に入り、中継した遊撃手から球を受けてタッチアウトにする。ちょっとした秘密プレーで面白いですね」
長嶋は現地で4ドルで買った水着で毎日15分、プールで泳ぐのを日課にしていたらしい。「(まだ寒い)日本にいる他チームの連中がかわいそうですよ」と笑っていた。
遠い日本では映画産業の斜陽もあり、大毎に身売り説が流れているという話があった。経営から撤退した毎日の株の肩代わり先を探していたのは事実のようだ。
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では、またあした。
<次回に続く>
写真=BBM