プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は4月1日だ。
古巣マリナーズに戻り、日本時間3月30日の開幕戦でスタメン出場を果たしたイチロー。2打席無安打に終わったが、レジェンドの帰還にセーフコ・フィールドのファンは大歓声を贈った。
4月1日は、イチローが
オリックス時代、1995年の開幕戦が地元グリーンスタジアム神戸であった日だ。94年に鈴木一朗からイチローに登録名を変え、大ブレーク。95年は
阪神・淡路大震災がありながらも、打率.412、しかも長打率.735で、2年連続オープン戦大賞になって挑んだ開幕戦だった。
相手の先発は
ロッテの
伊良部秀輝。初回は三振の苦しいスタートとなり、以後もライトフライ、二ゴロと完全に抑え込まれた。
しかし、守備で見せ場を作った。7回表無死一、三塁のピンチでロッテ・
定詰雅彦がイチローの守るライトに飛球。これをやや体が流れる格好で捕球したイチローだが、素早く体勢を立て直し、捕手の
高田誠に2バウンドでストライク返球。三走・
樋口一紀を鮮やかに刺した。
「ちょっと間に合わないかと思ったけれど、縫い目に指がうまくかかりました。きょうは一ついい仕事ができたからいいでしょう」とイチロー。試合は3対2とオリックスの勝利。
仰木彬監督は「あのプレーは2ランホーマー並みの価値がある」と称賛した。
イチローはこの年、開幕直後は打撃がやや振るわなかったが、4月末から急上昇。2年連続の首位打者に加え、打点王、盗塁王を獲得。チームを優勝に導き、MVPにもなっている。
写真=BBM