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センバツ現場発

決勝へ進むのは? センバツ準決勝展望

 

第90回記念選抜高校野球大会が3月23日、阪神甲子園球場で開幕した。球児による13日間(準々決勝翌日の休養日1日を含む)の熱戦が繰り広げられるが、現場でしか分からない「センバツリポート」をお届けしていく。

第1試合 東海大相模高VS.智弁和歌山高


東海大相模高はエース右腕・斎藤礼二の出来が勝利の行方を左右する


 いよいよセンバツも大詰めだ。4月1日に準々決勝を終え、2日は休養日。4強進出校は明日へ向け調整を積んだ。頂点まであと2勝。準決勝を展望する。

 第1試合(11時開始予定)では東海大相模高(神奈川)と智弁和歌山高が激突する。両校は2000年春の決勝で対戦しており、18年前は東海大相模高が4対2で智弁和歌山を下している。

 東海大相模高は聖光学院高(福島/東北)、静岡高(静岡/東海)、日本航空石川高(石川/北信越)といずれも、昨秋の地区大会優勝校を破ってきた。攻守に攻め続ける「アグレッシブ・ベースボール」は健在。伝統の強打・智弁和歌山高打線を相手に最少失点で乗り切るためにも、全3試合(先発1、救援2)に登板しているエース右腕・斎藤礼二(3年)の出来にかかっている。

 打線は主将・小松勇輝(3年)、山田拓也(3年)の一、二番が好調なだけに、今大会3戦で1打点の主砲・森下翔太(3年)の奮起が待たれる。

 7年ぶり3度目の優勝へ、チーム全体の士気は高まっている。なお、東海大相模高は春夏を通じて過去7度の準決勝は、すべて突破しているという心強いデータがある。

 智弁和歌山高は準優勝だった2000年以来、18年ぶりの4強。歴代1位の甲子園通算67勝(33敗)を誇る高嶋仁監督の名さい配と、全国屈指の超強力打線を前面に挑む。

 創成館高との3回戦は壮絶なシーソーゲームを延長10回に末に制し(11対10)、勢いに乗っている。同3回戦で高校通算34本塁打を放ったプロ注目スラッガー・林晃汰(3年)の調子が上向きであるのも明るい材料。平田龍輝(3年)、小堀颯(3年)、池田陽佑(2年)の3人の右腕による継投がカギを握りそうだ。

第2試合 大阪桐蔭高VS.三重高


大阪桐蔭高は3試合で38得点、チーム打率.430と規格外の強さで4強進出。史上3校目となる「春連覇」まであと2勝である


 第2試合(13時30分開始予定)は史上3校目の春連覇を狙う大阪桐蔭高と、49年ぶりの4強進出となった三重高。両チームは2014年夏の決勝で対戦しており、そのときは大阪桐蔭高が逆転勝ちで4度目の全国制覇を遂げている。

 大阪桐蔭高を率いるのは歴代6位の甲子園通算47勝(9敗)と驚異的な勝率.839を誇る西谷浩一監督。3試合で38得点、チーム打率.430と上位から下位まで切れ目がなく、周囲から「銀河系軍団」と言われるのもうなずける豪華布陣だ。

 エース・柿木蓮、左腕・横川凱、捕手・小泉航平、二塁・山田健太、三塁・中川卓也、遊撃・根尾昂、中堅・藤原恭大と、7人をドラフト候補としてリストアップしているNPB球団もあったほど、戦力が充実している。個の力に頼るのではなく、チーム力も高いため、まったくスキが見当たらない強みがある。

“先発ローテどおり”ならば、明秀日立高との3戦で1失点完投した根尾の先発が有力。投打二刀流のスーパースターのパフォーマンスが見逃せない。

 対する三重高は2014年夏のリベンジに燃えている。今大会最年少28歳の小島紳監督が率い、バントを使わない超攻撃野球を徹底する。攻め続ける姿勢は、相手にとっても脅威であり、大阪桐蔭高が受け身に立つようだと、三重高にもチャンスが広がってくる。この3試合、打線をけん引してきた一番・梶田蓮(3年)、二番・浦口輝(3年)が出塁することが三重高の攻撃リズムだ。

 投手陣は継投でしのぎ、攻撃陣は相手より1点でも多く取る。大阪桐蔭高としてはツートップの2人を封じることが、ポイントとなってくるだろう。

 準決勝進出4校がいずれも優勝経験校は、センバツ史上初。甲子園常連校による手に汗握る好ゲームが期待できそうだ。

文=岡本朋祐 写真=BBM
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