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センバツ名勝負伝説

【センバツ名勝負伝説12】豪打の応酬の末、熱闘は13回に決着して高知が優勝

 

いよいよ佳境を迎えた「第90回記念選抜高校野球大会」。週べONLINEでは歴代の名勝負をピックアップし、1日1試合ずつ紹介していく。

矢のような返球でサヨナラを阻止


13回裏は無失点に抑え、高知に栄冠がもたらされた


1975年4月6日決勝
高知(高知)10−5東海大相模(神奈川)

 1975年の高知は、72年に四国大会を制した高知中のメンバーが多く、粒ぞろい。主砲・杉村繁のバットと主将の本多利治二塁手を中心の堅守で決勝まで勝ち上がった。

 相手は、「東の横綱」と言われた東海大相模。前年夏、1年生ながら大活躍した原辰徳のひたむきなプレーとさわやかな笑顔は、多くのファンをテレビの前に釘付けにした。

 試合は左右したのは、やはり杉村、原のバットだった。

 高知は1回表、一死一、二塁から杉村が三ゴロ併殺で無得点に終わるが、その裏、原が左中間スタンドに目の覚めるような一発を打ち込み、津末英明、佐藤勉の好打が続き、東海大相模は早くも3点先取。ところが高知は3回、杉村の右中間への三塁打で1点、5回にもカーブを中前にはじき返して同点にした。そして7回、逆に1点をリード。

 だが、“逆転の東海大相模”は黙っていない。8回、原が右中間へ三塁打、佐藤勉も右中間を破って同点に持ち込んだのである。

 がっぷり四つに組んだまま延長戦に入り、12回、二塁に走者を置いて津末が一、二塁間を破り、東海大相模のサヨナラかと思った瞬間、ライトの松生栄司が矢のような返球で走者をアウトにしてしまった。美技の松生は打っても13回、右中間に三塁打。続く杉浦が左中間を抜く。あとはスクイズ、ヒットが続き、一挙5点をもぎ取って栄光のゴールへ飛び込んだ。

写真=BBM
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