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【週ベ60周年記念企画159】監督も手をあます反逆スター【1961年4月17日号】

 

今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。

『東映の新戦力メイバワー』


表紙は巨人藤田元司


 今回は『1961年4月17日号』。定価は30円だ。後ろグラビアは『東映の新戦力メイバワー』と注目の新外国人を3ページ特集。メイバワーは一昨年にも東映入りが内定していたが、父親の死去もあって取りやめ。代わりに入ったのが見かけ倒し(?)で終わったニックネーム「大王」のアレキサンダーだった。

 メイバワーの日本での登録名はバウアー。実は、これ入団会見で自分から言い出したものだ。

「メイバワーではちょっと字が長すぎるから、メイでもバワーでも日本流に適当に略してもらって結構。どうせ僕は読めないからね」

 ジョークのセンスもあったようだが、61年は6勝に終わり1年で退団となった。

 本文巻頭は『監督も手をあます反逆スター』。まず皮肉屋のスポーツライターが編成したというラインアップから。

(投)金田、堀本(捕)山本八(一)藤本(二)土屋(三)小玉(遊)豊田(左)大和田(中)衆樹(右)森

 選考理由が以下だ。

 国鉄・金田正一。金田天皇というくらいワンマン的存在。前年限りで退任した宇野光雄監督については「監督は、監督1年目の気持ちを忘れちゃあかんわ」と評していた。

 巨人・堀本律雄別所毅彦コーチのハードトレーニングに反抗し、キャンプの王様と言われた。まだ2年目だが、1年目、当時の水原茂監督に酷使されたとき「こう毎日投げさせるんじゃ死んじゃうよ。俺はニコヨン(日雇い労働者)じゃないんだから」と放言したこともある。

 東映・山本八郎。殴打事件数回。禅寺に行ったが、おとなしくならなかった。水原監督に反抗したことで、この時点では干されていた。

 阪神藤本勝巳。一塁をやらせなければ契約しないとゴネた。

 国鉄・土屋正孝。思ったことはズバズバ言い、巨人・川上哲治に嫌われ、国鉄に。

 近鉄・小玉明利千葉茂監督と正面衝突。

 西鉄・豊田泰光。前西鉄、現大洋を指揮する三原脩監督をして西鉄をうまく治めるのは豊田の使い方一つと言わしめた男。

 広島大和田明。豊田に匹敵する荒法師らしい。

 阪急・衆樹資宏。大毎時代は運転手を殴ったり、自動車事故を起こしたり。当時の西本幸雄監督に嫌われ、阪急へ。

 中日森徹。母親譲りの奔放な性格と正義感、力道山仕込みのファイト。前任の杉下茂監督とはまったく合わなかった。

 以下、宣伝。

 週べ60年記念シリーズ『巨人編』『日本ハム編』が好評発売中です。

では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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