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プロ野球デキゴトロジー/4月4日

中日・パウエルが約束どおりのホームラン【1997年4月4日】

 

開会セレモニー。もちろんドアラは本物です


 プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は4月4日だ。

 1997年、待望のナゴヤドームが開場。新球場が4万5000人の超満員となった4月4日の開幕戦(対横浜)は、1回裏、立浪和義の先頭打者ホームランで試合の流れができ、四番・ゴメスのタイムリー、パウエルのソロホームランなどで加点。3対2で勝利し、プロ14年目で初の開幕投手となった山本昌が勝ち投手となった。

 試合後、立浪のホームランに触れ、「ほおずりをしてキスをしたいくらいだった」と表情を崩した星野仙一監督だったが、続く2試合は貧打と大豊泰昭山崎武司の守乱もあって連敗。課題と言われた広いナゴヤドーム対策が十分ではなかったことも明確になった。

 星野監督もイライラがマックスで「開幕前から打撃は心配だとさんざん言っているだろ。ミスを取り上げても仕方ない。次からまたやり直しや」と吐き捨てた。

 少しいい話も書いておこう。開幕戦でホームランを放ったパウエルは、記念のドアラ人形を中澤トレーナーの夫人にプレゼントした。実は、中澤トレーナー夫婦に子どもが生まれたのだという。「そんな大事なときなのに奥さんのそばにいないのか」と不思議がったパウエルだが、そこで「分かった。ホームランを打ってドアラ人形をプレゼントしよう」と言った。

 つまり予告ホームランだ。アロンゾ・パウエルはヒザに故障を抱え、中澤トレーナーにケアを担当してもらっていた。何かお礼をしたいとずっと思っていたらしい。
「お陰で子どもの一生の記念になります」と中澤トレーナーも感激の様子。人格者で知られたパウエルらしい逸話だ。

写真=BBM
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