勝利を飾った村田(右)と田淵監督
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は4月7日だ。
ソフトバンクの前身、ダイエーがまだ弱かった時代の話をしよう。
1990年、ダイエーは前年7勝8敗、星稜高からプロ入りし3年目の
村田勝喜を開幕投手に選んだが、このときは雨で中止となり、登板はスライドしなかった。
この年、7勝15敗、防御率5.79だった村田だが、やはり91年の
オリックス戦(GS神戸)の開幕投手に指名される。これは順当だろう。規定投球回未到達の
山内孝徳と並び、7勝はチームの勝ち頭だったのだから。
田淵幸一監督1年目の90年は41勝しかできず最下位。とにかく弱かった。
しかし開幕予定の4月6日は、またも雨で中止。3度目の正直で無事、開幕投手となった7日も雨模様で、足元がぬかるむ悪条件だった。
村田も制球が定まらぬまま、初回に味方が先制してくれた1点を1、2回で1点ずつ失い、あっさり逆転されてしまった。
前年までの村田なら、このままズルズルいってしまうところだが、この日は違った。強打のオリックス相手に粘り強く投げ、味方打線も7回表に3回の援護。その裏、打球を右足に受けたが、リズムを崩すことなく完投。5対2でダイエーは勝利した。
村田は同年13勝。見事エースの活躍をしたが、チームは5位に終わった。
写真=BBM