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プロ野球世代別ベストナイン

【世代別ベストナイン】「1939年」右の好投手が居並ぶ“完全試合世代”/足立光宏、安藤統夫、宮田征典

 

プロ野球史を彩ってきた数多くの名選手たち。生まれた世代ごとに週刊ベースボールONLIN編集部がベストナインを選定して、“史上最強世代”を追いかけてみる。

“Mr.パーフェクト”が3人も


阪急・足立光宏


 1人の投手が、1人の走者も許さず、打者27人でゲームを締めくくって勝つ完全試合。長いプロ野球の歴史で、わずか15人しか達成していない快挙だが、その達成者が3人もいるのが1939年生まれの世代だ。ただ、全体でも好投手、特に右腕が多い世代でもあり、その3投手よりも長く活躍し、阪急の黄金時代を支えた右腕がエースとなりそうだ。

【1939年生まれのベストナイン】(1939年4月2日〜40年4月1日生まれ)
投手 足立光宏(阪急)

捕手 戸梶正夫阪神ほか)

一塁手 遠井吾郎(阪神)

二塁手 青野修三(東映ほか)

三塁手 前田益穂ロッテほか)

遊撃手 安藤統夫(阪神)

外野手 重松省三(大洋)
    樋口正蔵(南海)
    堀込基明(南海ほか)

指名打者 藤井栄治(阪神ほか)

 タイプの違う右の好投手が阪急に2人いる。1人はサブマリンの足立光宏で、シンカーを駆使して67年に最優秀防御率とMVP、日本シリーズの“巨人キラー”でもある。もう1人は石井茂雄で、投球術と制球力、そして強心臓が武器。インタビューで好調の原因を尋ねると、いつもはぐらかして“おトボケのシゲさん”と呼ばれた個性派でもある。防御率では足立に軍配が上がるが、通算勝利では石井がわずかに上回る。

 どちらも甲乙つけがたく、相手の打線によって使い分けられる贅沢さだ。一方のセ・リーグでV9を支えた“エースのジョー”城之内邦雄(巨人)も同世代。3チームで2ケタ勝利を挙げた“無頼派”森中千香良(通晴。南海ほか)もいる。

 さらに、60年に史上最年少で完全試合を達成した島田源太郎(大洋)、1人でも走者を許したら交代という“偵察登板”から達成した佐々木吉郎(大洋)、その11日後に達成した田中勉(西鉄ほか)が加わるから、中6日の先発ローテーションさえ組むことができる。

 しかも、この世代にはクローザーもいる。“8時半の男”宮田征典だ。救援専門の投手では最年長となるクローザーのパイオニアで、左腕がいないというウィークポイントを補って余りある、盤石の投手陣と言えるだろう。

機動力はないが……


阪神・安藤統夫


 打線は一気に渋い顔ぶれとなる。象徴的なのは二塁にいる青野修三。5年連続でリーグ最多犠打をマークした職人だが、送ったところで走れないのが、この世代の弱点だ。

 通算盗塁3ケタは三塁にいる左打者の前田益穂が唯一。一塁にいる右打者の遠井吾郎は名うての“鈍足”だった。ただ、ともに長打力は期待できるので、左右でクリーンアップに並ぶことになりそう。遠井は球宴でランニングホームランを放った果敢な走塁(?)も魅力だ。

 遊撃の安藤統夫(統男)も阪神ひと筋、堅守が魅力の遊撃手だ。阪神のチームメートで、しぶとさと勝負強さで頼られた“鉄仮面”藤井栄治は堅守と圧倒的な強肩を誇った外野手だが、ヒザ痛を抱えていたこともあって指名打者に。

 外野陣は渋さが増す。重松省三は大洋でリードオフマンを務め、樋口正蔵と堀込基明は60年代の南海を支えた巧打者だ。控えに回ったが、黄金時代前夜の阪急で四番も打ったクラッチヒッターの石井晶もいる。大舞台に強く、一塁や三塁を守れるので、攻守の切り札として存在感を放ちそうだ。

 得点力には欠けるが、相手のスキを見逃さない雰囲気のある打線ではある。もぎ取った1点を投手陣が守り抜くのが勝ちパターンだろう。現在のような分業制で、豪華投手陣の継投策もおもしろいかもしれない。

写真=BBM

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週刊ベースボール編集部

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