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2018セ・リーグ6球団の一番事情は?

 

優勝するためには、そこが十分に機能していなければいけない。チームをけん引する立場である一番。シーズンは始まったばかりだが、果たして各球団、打線の斬り込み役がどのような働きぶりを見せたか。セ・リーグ6球団の一番事情を見ていこう。

広島カープ



 12球団を代表するトップバッターと言っても過言ではない。リーグ連覇を果たした2016年、17年は全試合にフルイニング出場。強力赤ヘル打線のけん引役を担った。打席では甘いボールを見逃さないバットコントロールと、ボールを確実に見極める選球眼を生かして高確率で出塁。塁に出れば17年に盗塁王に輝いた俊足と、先頭打者に求められる要素を兼ね備えている。スムーズに立ち上がりたい先発投手にとっては最も嫌な打者の一人だろう。

阪神タイガース



 糸井嘉男糸原健斗鳥谷敬がオープン戦で一番を打っていたが、開幕戦のときにサプライズのような形で、オープン戦で結果を残した高山俊が抜てきされた。その後、相手先発が左腕のときに右打者の俊介が1試合だけ起用。それ以外は高山が担う。昨季までよりも粘り強い打撃で三振が少なく打率.292と好調。ただ四球は「0」で早打ちは相変わらず。出塁率が打率とイコールの状況は一番打者として少し物足りない。

横浜DeNAベイスターズ



 昨季、全試合で一番でスタメンを務め不動のリードオフマンだった桑原将志が今季は開幕3戦目にして不振のため二番に降格、5戦目にはスタメンを外れた。代わって一番に座ったのが新人・神里和毅だ。4月1日のヤクルト戦(横浜)では、初回に四球で出塁するとすかさず盗塁を成功。バットでは左越え二塁打でチャンスメークするなど「斬り込み隊長」として機能した。さらに4日の阪神戦(横浜)では2盗塁、初打点を挙げるなど一番に定着する勢いだ。

読売ジャイアンツ



 まさか今季も一番打者に頭を悩ますことになるなど、高橋由伸監督は微塵も想像していなかったに違いない。今季は万全の陽岱鋼(昨季は下半身のコンディション不良で出遅れ)に一番・中堅を託したが、開幕4試合目に左手甲に死球を受け骨折(全治約6週間)。脚力があり、長打もある理想の一番を失ったチームは、その後、左投手には右の中井大介を、右投手には左の立岡宗一郎を一番に据えて戦うが、見劣りは否めない。この間、5試合で1勝4敗。打順のシャッフルは現段階では考えづらく、一番に適性がありそうな田中俊太は内野手でポジションがない。現状では中井、立岡に期待する以外に策はないか。

中日ドラゴンズ



 昨季はルーキーの京田陽太が主に一番を務めたが、初球から振っていく積極打法を生かすために二番に配置転換。今季は2012年の盗塁王で、過去3度、打率3割以上を記録した安定感を持つ大島洋平が、斬り込み隊長を任されている。17年は首位打者を狙える位置につけていたが、8月に死球を受け、骨折により涙をのんだ。打席数増が濃厚な今季は、かねてから目標に掲げるシーズン200安打に加え、首位打者、最多安打、盗塁王を狙っていく。

東京ヤクルトスワローズ


ヤクルト・山田哲人


 今季から一番に座る山田哲人は、好調な打線とは対照的に、ここまで本領発揮には至っていない。今季初安打と初打点がようやく出たのは開幕3戦目。それでも相手の警戒度は変わらず、四球が多い。出塁すれば果敢にスチールを敢行し、山田哲が得点に絡むケースが増えている。新四番・青木宣親が中心となる打線で、三番・バレンティンも調子を上げている。これで山田哲のバットに快音が戻れば、スキのない上位打線が完成しそうだ。

写真=BBM
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