長いプロ野球の歴史の中で、数えきれない伝説が紡がれた。その一つひとつが、野球という国民的スポーツの面白さを倍増させたのは間違いない。野球ファンを“仰天”させた伝説。その数々を紹介していこう。 二日酔いもバッティングに関係ない
プロ1年目で投手、野手の二刀流をこなし、2年目には首位打者となった永淵洋三。とにかく酒好きで、酒にまつわる逸話には事欠かない。その最大のものが「飲み屋の借金を払うためにプロ入りした」という話だろう。
これはウソのような本当に話で、社会人の東芝時代、月給2万5000円ながら、飲み屋に30万円の借金があった。近鉄入りは、それを返すためだったという。
また、二日酔いでもバッティングには関係ない、というか、毎日飲むから二日酔いがふつうの状態だったようだが、「無理して汗をかくより、そのままのほうが僕は調子がよかった」と振り返る。
水島新司のマンガ『あぶさん』のモデルになったのも有名な話で、現在経営している焼き鳥屋の名前も「あぶさん」。よく「打席でバットに酒を吹きかけたんですか」と聞かれることがあるという。
写真=BBM