ガッツポーズする和田
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は4月11日だ。
「まさか」の展開が最後に待っていた。
2004年4月11日の
西武−近鉄戦(西武)は、9回表を終わって6対4で近鉄がリード。その裏、近鉄のマウンドには抑えのカラスコが上がった。
しかし西武は先頭の
中島裕之がライト前、続く代打・
平尾博嗣がレフトへたたきつけ、
高木浩之が四球であっという間に無死満塁。
西武の攻撃は止まらない。ここから
赤田将吾がセンター前にポトンと落とし、1点差。さらに小関竜哉の犠飛で瞬く間に同点となった。
ただ、なぜか近鉄・
梨田昌孝監督は動かず、続投のカラスコが
フェルナンデスに死球で満塁。次なる打者は四番の
和田一浩だ。和田はカラスコがフルカウントから投じた真っすぐをレフトスタンドに叩き込み、サヨナラ満塁ホームラン。
「みんなが作ってくれたチャンス。ここでゲッツーを打つわけにはいかない。遠くに飛ばせばなんとかなると思った」と和田。1年目の
伊東勤監督は「長田に尽きる」と、中継ぎで好投した
長田秀一郎を称えた。
これで西武は単独首位。最終的には勝率2位で終わったが、プレーオフを制し、当時のルールで優勝。日本シリーズでは、同じく
落合博満監督1年目でリーグ優勝を飾った
中日を破って日本一に輝いた。
写真=大泉謙也