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通算2000安打まであと29本。ロッテ・福浦が選手、裏方に慕われる理由

 

コツコツと努力を積み重ねる職人気質。パワプロも打てるようになるまでゲームをやめない



「J.T. STRENGTH & CONDITIONING」の代表取締役社長として活動しているJ.T.(高橋純一)と申します。今回は通算2000安打にあと29本にせまった千葉ロッテマリーンズ・福浦和也さんについてお話させて頂きます。

 私は2005、06年にロッテで一軍コンディショニングコーディネーター務めていました。福浦さんのすごさは決めたことを継続してやり抜く姿勢でした。体の状態が良くても悪くてもコアトレーニング、体の調整、リカバリー、ストレッチなどを欠かさない。それはシーズンオフも変わりません。ゴルフをやった後も千葉マリンスタジアムに立ち寄ってトレーニングをする。夜中12時を過ぎて球場のジムに来るときもありました。

「オレなんて全然だからさ」と謙虚に話していましたが、野球に取り組む真摯な姿勢は若手のお手本です。物事をとことん突き詰める性格なのでしょう。春季キャンプ中は選手たちの間で「実況パワフルプロ野球」が当時流行していたのですが、福浦さんはうまくできないと打てるようになるまでコントローラーを手放さずにゲームをやり続けていました。

 口数は決して多くないけどチームを背中でチームを引っ張るタイプで人望も厚かったです。01年に打率.346で首位打者を獲得。私がロッテにやってきた05年は30歳で脂の乗り切った時期でしたが、決して偉ぶらずに謙虚な姿勢でトレーナーにも気さくに接してくれる。「この人のためならどうにかしたい」と裏方は皆思ったのではないんでしょうか。

 ロッテは同年に31年ぶりのリーグ優勝と日本一に輝きましたが、里崎智也西岡剛ら個性的な選手たちが伸び伸びプレーできたのは福浦さんの包容力があったからこそだと思います。

 93年にドラフト最終指名の7位で投手として入団してすぐに野手転向。想像を絶する努力を積み重ねてきた生き様はチームの大きな財産です。福浦さんに携わった人間は2000安打の達成を心から祈っていると思います。普段は謙虚で前に出たがらないですが、大記録達成の瞬間に心から喜んでいる姿を一日でも早く見たいですね。

記事提供=ココカラネクスト編集部 平尾類
ココカラネクスト編集部

●高橋純一(たかはし・じゅんいち)
MLBサンディエゴ・パドレスで通訳兼コンディショニング補佐を務めた後、千葉ロッテマリーンズ、ヤクルトスワローズ、DeNAベイスターズファーム等でチーフトレーナーとして活動。2017年より独立。幅広いストレングス&コンディショニング領域をアレンジ、シンプル化させ、「俺、最高。」「やってみるをかなえる。」をキーワードに老若男女問わず、自分の肉体の可能性を高め、向上していくサポートを行う。コーポレートコンディショニングという企業のトレーニング意識を変えるコーチングも担う。

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