速球もそうだが、高速フォークが相手打者の脅威となった
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は4月22日だ。
1993年、当時の最速158キロをマークしてブレークした
ロッテの
伊良部秀輝が、翌94年4月22日の
日本ハム戦(千葉マリン)でプロ7年目の初完封を飾った。前年まで完投は12試合あったが、どれも完封とはならず。この年も4月10日の日本ハム戦、16日のダイエー戦に完投しながら、いずれも味方打線の援護なく負け投手となっていた。
この日は6回まで毎回安打と決して楽な展開ではなかったが、150キロ台の速球に加え、140キロ台中盤の高速フォークがさえ渡り、14奪三振。いまならスプリットと呼ぶところだが、従来の日本球界では見たことがない魔球。当時なのでフォークの癖などを調べ、なんとか対応したのだろう。
味方打線もミューレンの2本塁打など珍しく(?)爆発し7対0の快勝。ただし、伊良部本人は「まあ、僕は完封できるような投手じゃないですからね。何回もあったピンチを切り抜けたことには満足していますよ」と意外と冷静に語っていた。この年の伊良部は15勝。最多勝に輝いたシーズンでもある。
この日は伊良部だけの1日ではなかった。開催された6試合中、伊良部に加え、
巨人・
斎藤雅樹、近鉄・
山崎慎太郎、横浜・
三浦大輔が完封勝利。三浦も初完封だった。
写真=BBM