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横浜高にコールド敗退も……横浜スタジアムでの試合経験を夏に生かす鎌倉学園高

 

事実上の“南大会決勝”


鎌倉学園高は横浜高との県大会準決勝で5回コールド敗退(0対12)。だが、春の段階で夏のメーン会場・横浜スタジアムでプレーできたのはこの上ない財産となった


 春の神奈川県大会が横浜スタジアムで開催されるのは7年ぶり。夏の決勝の舞台はこのメーン会場であるから、この段階で大舞台を経験できたのは、大きな財産である。

「この試合が、春で良かった……」

 これが、本音である。試合後にしみじみと語ったのは鎌倉学園高・竹内智一監督だ。4月28日、横浜高との準決勝。昨秋は県大会準々決勝で8回コールド勝ち(15対8)しているが、今回は勝手が違った。

 序盤から相手打線の猛攻を受け、13安打12失点で5回コールド敗退。打線も2安打無得点に抑え込まれ、投打ともに圧倒される形となってしまった。

「相手は同じ高校生。横浜とは攻守ともに『1対1の勝負だ!!』と言ってきましたが……。やっぱり、横浜はすごい。受けて立ってしまった」(竹内監督)

 ディフェンスも4失策と乱れたが、記録には表れないミスも目立った。上空の風の計算ができておらず、ファウルフライや飛球を捕球できない場面も何度か見受けられた。

 実は鎌倉学園高は、竹内監督によれば「彼らが横浜スタジアムでプレーするは初めて」だったという。「準決勝という舞台、しかも環境にものまれてしまった。地区予選まではミスが多く、県大会までに修正してきたが、浮足立った」と反省ばかりが口をついた。

 今夏の神奈川は第100回記念大会のため、南北から2代表が出場する。春の県大会の組み合わせ抽選時点でトーナメントは南北に分かれており、この準決勝が、事実上の南大会決勝(横浜高と鎌倉学園高は南地区)だったのである。

 やはり、横浜スタジアムは独特の雰囲気がある。スタンドが高いため、先述のように風の向きも、打球が高く上がるほど目測が難しくなる。また、今年から人工芝が新たに張り替えられたため、土のグラウンドとはまったく異なるバウンドを味わえただけでも大きい。

「夏への良い経験になった」

 竹内監督は前を向いた。鎌倉学園高は神奈川県の私学において、トップレベルの進学校。春のセンバツは過去に2回の甲子園出場があるが、夏はない。「学習能力」がある集団であり、この敗戦を生かす夏が楽しみである。

文=岡本朋祐 写真=大賀章好
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