長いプロ野球の歴史の中で、数えきれない伝説が紡がれた。その一つひとつが、野球という国民的スポーツの面白さを倍増させたのは間違いない。野球ファンを“仰天”させた伝説。その数々を紹介していこう。 日々十数個のルーティン
1990年代後半から2000年代前半にかけ、快速球と必殺のスライダーを武器に活躍した近鉄の守護神・大塚晶文。04年からはメジャーに活躍の舞台を移し、06年第1回WBCでは世界一の胴上げ投手になっている。
大塚の特徴は、とにかくルーティンが多いことだ。抑えに回ってからは特に多くなり、日々十数個のルーティンを大事にしていた。そのなかにはブルペンを出るとき「ヨッシャー!」とほえるなど微笑ましいもの(?)もあったが、ひとつだけ周囲をイライラさせるものがあった。
グラウンドコートを袖の背番号11が見えるように畳んでベンチに置き、その上にペットボトルを置くというものだ。ただ、服の上だから、このボトルが不安定で、すぐ倒れそうになる。ベンチはそのたびに大騒ぎとなってしまい、ついには
梨田昌孝監督から「ベンチが疲れるからやめろ」と言われ、自粛することとなった。
写真=BBM